120km/h区間で「3車線横並び」も見かける! 90km/hリミッター付き大型トラックの高速3車線区間の「追い越し車線走行」は禁止すべき?

この記事をまとめると

■高速道路でトラックが3台横並び状態になっていることがよくある

■トラックの追い抜きの禁止、「オーバーテイクボタン」の装着など対策してほしい

■また高速道路では車線ごとに速度域を指定するのも有効かもしれない

トラックの「3ワイド」は危険!

 高速道路で長距離移動するときに、疲れずに早く目的地に着くコツは、一定の速度で走り続けること。

 ところが意外とそれが難しい。通行量がそれほど多くない区間でも、サグ部やトンネルなどでペースが落ちることもあるし、新東名など直線が長く3車線で、おまけに最高速度が120km/h区間でも、急に前が詰まって流れが悪くなることも……。

 何が起きているのか注視していると、大型トラックが「3ワイド」になっていて、後続車が堰き止められているケースがけっこうある。

 トラックだって、先を急ぐ気持ちは重々わかるが、総重量8トン以上のトラックに義務づけられている90km/hのスピードリミッターが装着されている大型トラック同士が、1~5km/hぐらいの速度差で併走し、追い抜きをかけるのは、この際、法律で禁止して欲しい。

 もしくは時間限定(5分ぐらい)でリミッターが解除できる「オーバーテイクボタン」などを装着しないと、トラック同士も危ないし、トラックにつかえた乗用車が、減速を強いられたり、走行車線から流れが悪くなりだした追い越し車線側に移ってきたりと、流れが乱れて接触事故の発生するリスクが増えるだけ。

 無駄な減速と加速が生じるため、燃費面、環境面でもマイナスにしかならない。

 片側3車線の高速道路では、通称トラックレーンと呼ばれる「特定の種類の車両の走行区分」も増えてきていて、大型貨物自動車、特定中型貨物自動車、大型特殊自動車は原則として一番左の車両通行帯を通行しなければならないことになっている(追越し等で、一時的に第二通行帯を走ることは可)。

 ここではそもそも一番右車線(第三通行帯)を大型トラックが走ることを許していない。

 にもかかわらず、このルールを無視する大型トラックはあとを絶たず、高速道路上にトラックの団子地帯がポツン、ポツンと出来上がっているのが現状だ(大型トラックほど加減速で燃費が悪化し、とくに再加速で燃料消費が増えるので、より遅いトラックに追いついたときもアクセルを戻すのを嫌い、後続車が来ていても追い越し車線に出てくる傾向がある)。

 こうした現状を踏まえ、より現実的に高速道路上の流れをスムースにするために、車線ごとに速度域を指定(規定)してしまってはどうだろうか。

 たとえば片側3車線で最高速度120km/hの高速道路なら、一番左の第一通行帯は80~95km/h(大型トラックは基本的にこの車線のみ)、中央の第二通行帯は95~110km/h、一番右の第三通行帯は110~120km/hで走ることにすれば、速度の凸凹が減って、流れが乱れにくくなるはず。

 一般道はともかく、高速道路に関しては、(安全な速度の範囲内で)速いクルマ優先にしたほうが、合理的だと思われるのだが……。

 トラック業界も時間の制約、コストの制約、人材不足で大変なのはわかるが、高速道路での3ワイドだけは避けるよう、業界を挙げて周知・指導をお願いしたいところだ。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
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