車線減少でも事故でも工事でもないのにいつも混んでる! 「橋の上」が渋滞しやすい理由とは (2/2ページ)

そこに突入するという選択肢しかないのが現実

 日本で一番長い橋は川崎(神奈川県)と木更津(千葉県)をつないでいる「アクアブリッジ(東京湾アクアラインの千葉県側)」だが、この橋を迂回しようと思うと、東京湾沿いにグルっと遠まわりするか、横須賀(神奈川県)と富津(千葉県)をつないでいる東京湾フェリーを利用するくらいしか方法がない。

 渋滞しているのがわかっていても、そこに突入するという選択肢しかないのが現実だ。結果的に利用者の増える週末などは、アクアラインが渋滞することが多くなってしまう。

 同様のことは一般道でもいえる。冒頭で記した跨線道路橋を通らずに、線路の向こう側に行こうと思うと、踏切を渡るというルートになってしまうことが多い。踏切を待つくらいであれば渋滞しているオーバーパスを通ったほうが結果的に早いということになりがちだ。

 慢性的に渋滞しているということは、そこで多くのロスが生まれていることになる。道路行政の基本としては、そうした無駄をなくすために、橋を増やすという風に考えるべきだが、新しく橋をかけるというのは予算のかかる行為であり、すぐに対応できるものでもないのは自明だろう。

 というわけで、多くの橋が渋滞している原因は、実質的に迂回路がないため、特定の橋に交通量が集中するために起こっている。

 もっとも、場所によっては橋のアップダウンが大きかったり、先の見えないコーナーになっていたりするために自然渋滞が起きているケースもあるだろうが、大筋では橋の渋滞は「そこを渡るしか道がない」からといえるだろう。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
趣味
モトブログを作ること
好きな有名人
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