なんと世界にこれ1台! エリザベス2世女王陛下の即位70周年を記念した特別な「ディフェンダー130」を英国赤十字社に寄贈

この記事をまとめると

■ランドローバーが英国赤十字社にディフェンダー130を寄贈

■エリザベス2世女王陛下の即位70周年を祝う限定1台の特別モデルだ

■救助活動に使うことを想定しておりさまざまな専用装備が装着されている

世界中を探してもこれ1台のみの特別なディフェンダー

 イギリスといえば、日本でも「イギリス王室」に関する話題がよく上がる。そんなイギリスでは、王族が愛用するブランドを「ロイヤルワラント」としてブランド化がしているのも特徴だ。これは巷で言う「王室御用達」の意味で、そこにはお菓子から衣類、そして自動車などさまざまなアイテムが含まれている。

 簡単に名乗ることが許されない「王室御用達」は、ブランド力も抜群だ。そこには、イギリスを代表する4WD専門メーカーである「ランドローバー」も含まれている。王室関係者の移動はもちろん、パレードなどでも同社のクルマは広く愛用されており、テレビの中継などでもその姿を度々目にするのではないだろうか。

 今回はそのランドローバーのラインアップのなかから、世界中で広く愛されている伝統の1台「ディフェンダー130」が、エリザベス2世女王陛下の即位70周年を祝うプラチナジュビリーを記念した特別仕様に仕立てられ、英国赤十字社に寄贈された。

 ランドローバーといえば、最近はラグジュアリー思考やスポーツ思考の強いモデルが多いが、この特別仕様車は万が一の際、北ウェールズの到達困難な地域の人々を支援するという明確な目的を持って製作されており、現場色の強い仕立てとなっているのが特徴だ。

 装備の一例を挙げると、場所を問わず強力な信号を発信するために強化された4G接続アンテナ、電話、通信用VHFラジオ、GPS追跡機能付きの最新テレマティクスシステムが搭載されている。また、ルーフには太陽光発電システムが装備されており、エンジンが作動していないときに補助バッテリーを充電して電力を供給することもできる。これにより、長時間のデータ通信を行えるのもトピックだ。現代は通信ナシでは多くのことが成り立たないので、過酷な災害現場を見越した装備が徹底されていると言えよう。

 さらに、ベースとなっている「ディフェンダー130」の3列目シートを取り外し、さまざまな支援物資を収納するためのスペースを設けている。このスペースには引き出しが追加され、ここには毛布や食料、救急用品などを収納できるという。

 乗車するスタッフ向けに、抗菌処理を施したシートカバーや充電端子を備えた充電式トーチも用意されているので、さまざまな面で高い実用性を備えている。さらに、ボイラーを内蔵しているため、緊急時に救助者などへ温かい飲み物を提供することなんてことも可能だ。

 最強クラスのクロカン四駆が、徹底した災害対策用の装備を備えたことで、陸の要塞になったと言っても過言ではないだろう。

 ちなみにエリザベス2世女王陛下は、在位していた70年間にわたって英国赤十字社のパトロンを務めてきたということもあり、今回の車両提供が実現した形だ。

 英国赤十字社の危機および緊急対応責任者であるであるクリス・デービス氏は、「約70年間にわたって、ディフェンダーを使った救助活動などを行ってきた。今後も、人々がどこにいても、どのような天候に遭遇しても、このディフェンダーで引き続きサポートしていく」と語った。

 世界最高峰のクロカン四駆は今日も英国の人々を支え続けている。


新着情報