bZ4Xとソルテラは「育つ」クルマだった! すでに買ったモデルがもっと使いやすいEVになる「アップデート」の中身とは (2/2ページ)

EVでは自動アップデートが当たり前になる

 アップデートの内容は、bZ4Xとソルテラが市場導入された当初から指摘されていた点であった。国内外を問わず数多くの要望があったことから、発売から1年となるこの機会に改善が実施されることになった。主に制御の修正で済む内容であるため、素早い実施が可能になったといえる。

 一方、今回の内容はいずれも市販EVでは標準的に備わった性能や機能でありながら、トヨタでは想定されていなかった要件といえる。しかし今回、素早く対応されたことで、EVでは当然と考えられる性能が満たされていくことだろう。

 bZ4Xのアップデートの内容は、レクサスのEVでも実施されることになる。

 こうしたアップデートの考えは、EV専用メーカーである米国のテスラが何年も前から実施し、「購入したEVはいつでも最新の性能を持てる」とした。EVは電気だけで走るうえ、バッテリー管理のため通信機能を自車で持つので、アップデートをよりしやすい商品性がある。また、テスラはクラウドからのダウンロードでアップデートできる手法をいち早く実施しており、OTA(オーバー・ザ・エア)と呼ばれ、他社へも急速に普及しはじめている。

 エンジン車やハイブリッド車でも、電子制御された内容については、通信機さえ備えていればOTAを活かしていくことができる。パーソナルコンピュータやスマートフォンなどと同じように、性能や機能の向上、あるいは制御上の不備などに対しても、アップデートは電化の時代の当たり前の方策になっていくだろう。


御堀直嗣 MIHORI NAOTSUGU

フリーランスライター/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
日産サクラ
趣味
乗馬、読書
好きな有名人
池波正太郎、山本周五郎、柳家小三治

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