【試乗】すでに乗ってるレヴォーグの走りが「アップデート」される! スバルの新サービス「SUBAROAD」と「e-Tuneダンパー」が控えめにいってもアリだった (2/2ページ)

プログラムを書き換える価値は充分あり!

 千葉にはまるで、欧州のカントリーロードを彷彿とさせる曲がりくねったワインディングが数多くあった。なので、コーナーからコーナーへ、スバル自慢のハンドリングを堪能しながら駆け巡ることができたわけだ。そして、この日の後半ではもうひとつの新たなアイテムを試した。それがこれから紹介する「e-Tune」である。

 これはスバル初の電子制御アクティブダンパーとして、レヴォーグSTIスポーツに採用されているダンパーの作動制御を変更する、オプションで用意されたプログラム。路面からの衝撃を減衰する幅を、コンフォート側はさらにソフト方向に10%、その逆となるスポーツ側には20%ハードにチューンし直したという。ディーラー装着オプション(車両購入後でも購入可能で、戻すこともできる)なプログラムとなっており、価格は3万3880円。専用エンブレムが付属する。

 レヴォーグに装備されているドライブセレクトモードを通して、ダンパーのセッティングを変更するわけだが、変更してみるとそれはもう明確にわかる。

 同車の走行モードは、「コンフォート・ノーマル・スポーツ・スポーツプラス」と選択が多く用意され、その4つのモードは変更と同時に、ステアリングのパワーアシストの量から、ステア操作の重さ軽さ。アクセル操作に対するエンジンの応答性もそれぞれの特性に見合うように変化するのも特徴だ。

 しかし、今回のようにサスペンションの変化(正式にはダンパーのみ)を探る場合、ステアリングのパワーアシストやエンジンマップが同時に変更されると、純粋にサスペンションの違いが判り難いため、一番右側にある”インディビデュアルモード”で、ステアリングもエンジンマップも同一に固定して、ダンパー制御の変化のみが判りやすくなるよう設定した。

 ダンパー本体はザックス製となっており、キモとなる制御技術に関する領域はZF製となる。試乗車に装備されているタイヤは購入時に装備されている標準モデル。

 前述のとおりエンジンやパワステの制御はそのままに、ダンパー制御をノーマルからコンフォートに切り替えると、それまで路面の凹凸をコツコツと拾い、やや硬い乗り味として伝えてきていたものが、コンフォートにした途端、分厚い絨毯の上を歩いたときのように足もとをソフトに、凹凸を包み込むように滑らかに乗り味を変えた。

 それはスポーツワゴンから上質なサルーンに乗り換えたようなイメージで、この乗り味の進化、違いには思わず拍手である。

 一方、スポーツ、スポーツプラスはどうか? もちろんこれも明確に変化する。ステア操作に対するレスポンスが引き上げられ、峠道を鋭いフットワークで華麗に駆け抜ける。ただ、凹凸を含む路面変化が入力として、ダイレクトにボディを通してドライバーに伝わるようになるため、路面状況がわかりやすくなると同時に、このモードはフラットに整備された良路でこそ活きるモードだとわかる。

 スポーツ、スポーツプラスへの変化は、ドライバーやパッセンジャーが感じるよりも後席住人のほうがより明確に感じられるような印象だ。簡単に言えば硬い衝撃が入るので、後席に乗員がいるときは、後席の人の意見を聞いて走行モードを選択してあげるとスマートだと思う。

 ちなみにレヴォーグはエンジンの低速トルクを補うためか、とくにゼロスタート時はアクセル操作以上にスロットルが早く大きく開いて、エンジン側の反応も大きく過敏になる。ゆえに、個人的に走行モードは通常でもコンフォートを選び、強い加速力が必要な場合は意識してアクセルを踏み込むほうが自然な挙動となる。つまり、このモードのほうがアクセル操作にリニアなエンジンの応答性、加速性が得られるため、好んでそうした。

 このあたりも燃料の変化に対する燃焼、燃費が関係するが、一方でスポーツやスポーツプラスのようにアクセル操作に敏感に過敏に応答する点は、ユーザーからはわかりやすい変化として捉えられている、と聞くと、このような明確な変化は必要なインフォメーションだと思う。

 まとめると、e-Tuneプログラムのアップデートは、少ない時間とコストで大きな変化幅が乗員も体感しやすくて、時代にマッチしたチューンだと感じる。


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