最悪カードの破損! 盗難時の補償対象外の可能性も! ETCカードの「面倒だから挿しっ放し」は思ったよりもリスクが大きかった (2/2ページ)

盗難時の補償対象外となる可能性も

 さらに、多くのカードでは盗難補償といって盗難されたカードの利用料金をユーザーは負担せずに済む仕組みがありますが、誰からでも見える場所にカードを挿しっ放しにしていたというのであれば、ユーザーの故意や過失となり得ます。そうなると補償の対象外となることもあるのです。

 もっとも、ETCカードを盗まれたとわかってすぐにカードを利用停止すれば被害は大きくならないでしょう。通常のクレジットカードであれば大きな買い物もできますが、ETCカードについてはほとんど高速道路の通行料くらいにしか使えません。

 たとえば東京から鹿児島までの約1400kmをノンストップで走ったとして14時間以上がかかり、料金は2万8000円弱です。盗難に気付くまでの時間はケースによって異なるでしょうが、12時間程度で気付いたとすれば、せいぜい3万円以内の損失で済むといえます。それが小さい金額とはいいませんが、ETCカードを盗んだとしても、おのずと使える額の上限は決まってくるといえます。

 まとめると、ETC車載器にETCカードを挿しっ放しにしていると、カードの破損とカードの盗難というふたつのリスクが考えられるというわけです。

 と、ここまで理解していてもETC車載器にカードを挿したままにしているというユーザーは少なくないでしょう。経験則として、カードが熱で破損することなどないと思っているドライバーもいるかもしれません。

 筆者が聞いた話では、「バイクのETC車載器はシートを外してアクセスするのでいちいちカードを抜いたりするのは面倒くさい」というものがありました。

「ETCカードと車載器の相性が悪いようで正しい向きで挿してもカードを認識しないことがある。だからうまく認識できたらそのままにしている」というケースもあるようです。

「ETCカードを挿し忘れてゲートを通過できずに止まってしまったことがトラウマなので、それ以降は挿すようにしている」というエピソードを聞いたこともあります。

 なるほど、個別にはさまざまな理由があるのだなぁとは思いますが、やはりリスクを管理するという点において、ETC車載器からETCカードを抜くことが基本という情報は認識しておくべきでしょう。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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