【試乗】街乗りは「超紳士」なのにワインディングに入ったら……ベントレー・コンチネンタルGTスピードのさすが「6リッター12気筒」っぷりがヤバかった (1/2ページ)

この記事をまとめると

■浮世離れした世界観を女性モータージャーナリストの佐藤久実さんが堪能

■ベントレー・コンチネンタルGTスピード/コンチネンタルGTCスピードに試乗

■アクセルを踏み込んだときだけ性格が豹変する場をわきまえたジェントルマンだった

世界最高峰レベルのパフォーマンスとラグジュアリー

 おそらく、よほどのお金持ちでない限り永遠に縁はないだろう、ロールス・ロイスと並ぶイギリスの至宝、ベントレー。女性は、この浮世離れした超高級車をどう感じるのか? 初夏の箱根で一泊二日、モータージャーナリストの佐藤久実さんにじっくり試してもらった。

場所と状況をわきまえたジェントルなモンスター

 いきなりお値段の話で恐縮ですが、ベントレー・コンチネンタルGTスピードは、税込み3400万円。幸運にもこのマンションも買えそうな高級車で、”なりきりオーナー体験”をさせていただきました。

 ベントレー史上最高の運動性能を誇るロードカーで、6リッターW12型は659馬力/900N・mという圧倒的なパワー。しかし、意識的にアクセルを踏み込めば瞬時に反応するものの、普通に運転する限りきわめてジェントル。

 そりゃそうだ。こんなパワーが一気に炸裂したらコントロールしきれないもの。ちなみに、可変シリンダーシステムは特定条件下では6気筒を休止するそうですが、ドライバーにはそんなことをまったく気づかせません。

 高速道路のクルージングもラグジュアリーの極み。なんといっても、インテリアがゴージャス。そして、静かで乗り心地も快適。「パワーを味わおう」なんて気にさせず、寛いだ気分でグランドツーリングを堪能させてくれます。

 やっぱりセレブなクルマは違うな〜と感心しつつワインディングに入ると、途端にスパルタンな性格があらわに。

 えっ、なにこの豹変ぶり!? ヤバイ! アドレナリンが出てきたぞ。スポーツカーみたいに尖ってないのにグイグイ曲がるし、アクセルを開けると路面を蹴飛ばすトラクション性能がハンパない。さらに“スポーツ”モードに切り換えると、もう完全にスポーツカーの世界なのです。

 このクルマ、ベントレーで初のエレクトロニック・リヤ・デファレンシャル(eLSD)のほか、オールホイールドライブや、アクティブアンチロール制御システムなど、とにかく電子制御がテンコ盛りなのですが、それらは見事なまでに黒子に徹し、ドライバーにはいっさい違和感を覚えさせることなく、心地よく制御しているのです。これぞ、クルマの究極のおもてなしですね。


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