「2年待ち」と言われた車種が「突然納車可能」に! 喜ばしいハズの「納期短縮」で新たな問題が発生していた (2/2ページ)

納期が早まると現在乗っているクルマの「残債整理」に不都合!

 ただ、新車の納期は不安定ながら早まる傾向にあり、当該車種全体は納期遅延傾向が続いているのに、ピンポイントで生産が早まり、突然納期が短縮されるケースも多いようである。また、発注していたお客の都合や、待ちきれずにキャンセルとなるケースも目立っているようで、そのようなキャンセル車両に希望仕様が合致すると突然配車が早まり納期が短縮されるとみるセールスマンも多い。

「2年後に合わせて注文入れているのに納車が急に早まると、残債整理に不都合が生じます。当然残債が多く残りますので、下取り査定額で相殺することが困難になります」とは現場のセールスマン。

 すでに、メーカーからディーラーへの“卸価格”ベースでは総じて値上げがはじまっているともされ、ディーラーは利益確保のため、値引きの引き締めだけでなく下取り査定額の上積みなども抑えているので調整がきかないのである。

「仕方がないので、“高値買い取り”を唄う大手買い取り専業店へ持ち込んで自力で処分(買い取り店でも残債のある車両も引き取るところが多い)してもらうようすることをお願いすることもあります」(セールスマン)。

 前述した“キャンセルが目立ってきた”という傾向は、このように納期が早まり残債整理ができないため新車への乗り換えを諦めるというケースもあるものと考えている。

 新車の納期遅延で販売現場は混乱してきた。そして、それが改善傾向に向かうと新たな問題も発生してきた。今回の納期遅延騒ぎが招いた混乱の大きさは計り知れないものとなっているのは間違いない。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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