超ド級お金持ちのための「クルマのテーマパーク」! マガリガワに潜入したら値段も施設もアゴが外れるほど衝撃だった (2/3ページ)

食事もおもてなしも超一流! ラウンジは1棟数億円!?

 さてさて、コーンズが運営する「THE MAGARIGAWA CLUB」だが、前述したとおり、ここは会員制の施設。それも超がつくほどプレミアム。「1日1万円で誰でも走り放題ですよ〜」なんてことは残念ながら叶わない。

「じゃあ会員権はいくら?」「いくら払えばいいんだ?」となるわけだが、一旦ここでは野暮なお金の話は置いておいて、施設を見ていこうじゃないか。どうしても金額が気になる人は3ページ目の1番下までスクロールされたし!

 まず、この「THE MAGARIGAWA CLUB」がある場所だが、住所は千葉県南房総市。羽田空港などを含む東京都心から東京湾アクアライン使っておおよそ1時間強で来られる場所だ。「サーキットは僻地にあることが多いので、日本の都心からそう遠くない場所に建てたい。しかし広大な敷地が必要」ということもあってこの場所になったそう。敷地面積は約100万平方メートルということで、これは同じ千葉県にあるディズニーランドの約2倍。つまり、世界最小国家でお馴染みのバチカン市国のおおよそ2倍とも言える数値だ。かかった総工費は約300億円ということで、これはディズニーランドの10分の1ほどとだけお伝えしておく。

 入口にそびえる巨大な門を潜ると、いきなりコースが見えるのだが、メインの建物は目の前の坂を上がって行って辿り着くような行程なのでずっと上り勾配。詳しくは後述するとして、とにかく勾配が半端ではない。非力なクルマではギヤを落とさないと上がって行かないほど。アップダウンが激しいことはコースに入る前から感じ取れた。

 メインの建物は、どこか和を感じさせるような雰囲気を持つ落ち着いた外観となっており、聞くところによると、この茶色を主としたアルミの外板は、なんと1枚1枚色を変え、周囲の自然に馴染むよう調整しているという。この「THE MAGARIGAWA CLUB」は、山を切り開いて作られているので、溺れるほど自然豊かなのが特徴。こういった細かい自然への配慮の元に各施設が建てられているという。ちなみに、当日はまだオープン前とのことで、参加者全員が靴の裏にカバーをつけて内部を見学した。

 内部に入ると、まず最初にガラス張りのピットレーンのような場所がいきなり目に飛び込んでくる。ここは、コースへの出入り口を兼ねた場所となっており、ここから各車がスタートする仕組み。ピットなのに完全屋内かつ冷暖房と柔らかいソファが設置されており、泥臭いサーキットで育ってきた人からすれば「なに贅沢言ってんだ!」とゲンコツが飛んできそうなほど優雅な空間となっている、日本中探してもこんなにも豪華なピットレーンは存在しないはずだ。初っ端から度肝を抜れてばかりである。

 続いて我々が案内されたのはダイニング。いわゆる食堂だが、もはや高級ホテルのそれ。クルマとはまったく無縁の空間がそこには広がっていた。それもそのはず。レストランをはじめ、施設のホスタピリティに関わる運営は神奈川県の箱根エリアの老舗「金谷リゾート」。出てくる料理もサーキットで食べるものとは一線を画す。いままで限られた時間でカレーやもつ煮、うどんなんかを必死に胃に詰め込んできた我々はなんだったのだと、その落差にため息しか出ない。到着して10分でもうクルマのことは忘れそうに。しかし、ダイニングからはコースの一部を見ることができるので、「クルマもちゃんといますよー」とコース側から訴えてくる。

 また、そんなダイニングエリアの横にはプールまであるではないか!? あまりの異世界感にすでに「走る」という目的を忘れそうだ。と、言いたいところだが、やはりプールからもコースが見えるので、クルマのことは忘れられないような”配慮”もされている。

 そのほか、六本木や銀座のお高いエリアで受けられそうな本格的なエステサロンや麻雀やカラオケが楽しめる娯楽室、サーキット走行に欠かせない体力作りができるトレーニングジム、高級シャンパンやワインが楽しめるバーや、疲れが取れること間違いなしな天然温泉も用意されており、完全にここは高級ホテルそのもの。木材を多く使った贅沢なキッズルームもあり、よく見ると遊具はちゃんと角を丸くする処理もされている配慮も。もちろんクルマのオモチャも忘れてはいない。

 そのほか、日本庭園も建造中だった。なお、施設内にはさまざまな装飾品や美術品が飾られているが、これらも日本中の一流アーティストによる作品で、そういった環境作りにも抜かりない。

 施設内は宿泊も可能なほか、一棟買いできるラウンジも存在する。もちろんガレージ付きであるほか、海外製の高級家具も備え付けられているとのこと。簡単に言えば別荘のような感覚で運用することができる施設となっており、ベットルームやシャワールームも複数あるので、走り好きの仲間とワイワイガヤガヤできそうな雰囲気。もちろん部屋からコースを眺めることができる。ここではきっと庶民には暗号のように聞こえるプレミアムな会話が生まれるに違いない。

 このラウンジ一棟の気になるお値段だが、「まぁいいところ2500万円くらいではないか?」と予想。しかし、この予想が如何に世間知らずだったかを思い知らされる。

 その気になる価格だが、なんと1棟あたり「2億〜8億円(仕様により異なる)」とのこと。顎が外れそうなほど高額であったので聞かなかったことにした。なお、9棟あるうちの5棟が現在完成しており、募集をかけたところ、なんと即日完売だったそう。なので、建設途中の残り4棟とは別に追加で空いている敷地に10数棟建てることを急遽決めたとのことだが、「お金持ちってそんなに日本にいるんですか!?」と叫ばずにいられない。

 施設内には愛車を補完できる空調完備の屋内ガレージも用意されているほか、メカニックによる定期点検サービスなどもある(有料)ので、着いたらすぐに全開走行も可能だ。さらには”ヘリ”で来ることもできるそう。なんたってヘリポートもありますからね! ヘリで現地に来てクルマを走らせてヘリで帰るとかF1ドライバーか!

 なお、ここでは各エリアから見える景色はどれもコーナーが多い。これは、「直線ばかりだと見ている人が飽きてしまうから」といったコーンズ側からの配慮でもあるそう。


WEB CARTOP 井上悠大 INOUE YUTAI

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