水の使用制限で洗車に規制! 汚いクルマに罰金!? 「洗車の自由」がある日本は恵まれてると感じる「海外洗車事情」

この記事をまとめると

■日本ではクルマを常に綺麗にしておきたい人が多く、日常的に洗車をする人が多い

■アメリカでは一部の地域だと水量制限があり、自宅で洗車することが難しい場合もある

■欧州では自宅での洗車にって消費される洗剤などによる環境への影響を問題視し始めている

家で洗車し放題なのは日本だけ!?

 大切な愛車は、いつもピカピカの綺麗なコンディションにしておきたい。日本では、そう考えるユーザーが少なくない。

 また、ほとんどのガソリンスタンドには自動洗車機が装備されており、ワックス洗車やクルマの下まわりの洗浄などさまざまなオプションが選べるようになっている。こうしたことが、日本では常識化している。

 一方で、自宅で洗車する人もいる。最近はアウトドアがブームでさまざまなルーフキャリアを日常的に装着しているクルマが増えており、一部の洗車機ではルーフキャリアに対応する場合もあるが、それでもそうした趣味性の強いクルマは自宅で洗車したいと思う人もいるだろう。

 時代を少し振り返ってみると、60年代から70年代には、今と比べると自宅で洗車する人が多かった印象がある。洗車機がまだ広く普及していなかったこともあったし、「クルマが庶民の乗り物」となってきて、「せっかく買ったクルマは綺麗にしたい」という想いを持つユーザーが多かったのだと思う。

 そんな日本では、ユーザーが「洗車に対する制約」を感じることはまずないだろう。

 一方で、海外に目を向けるとさまざまな「洗車に対する制約」が存在する。

 まず、筆者の実体験では、アメリカ国内で夏季の平均温度が高い地域での水量制限がある。これは、州レベルというより市や群(カウンティ)の条例等で、夏季の日中に自宅の屋外で水を使うことを制限する考え方だ。もっとも多いのが、庭や玄関まわりなどにあるスプリンクラーの使用時間制限だ。多くの場合、自宅用スプリンクラーには家のなかにコントローラーがあり、それを使って使用する時間帯を変えておく必要がある。

 そして、洗車についても、スプリンクラーの使用制限がかかる時間帯で行うことを控えるように行政側から通知がくる。アメリカに限らず、こうした暑い地域や暑い時期では、自宅での洗車を極力控えるようにという決まり事が存在し、違反すると罰金が科される場合もある。

 もうひとつ、自宅での洗車を制限する考え方として、洗剤などによる環境への影響を懸念するケースもある。近年は、SDGs(国連・持続可能な開発目標)という概念が定着してきたこともあり、洗車についてのルールが厳格化するケースが、欧州などで見られるようだ。

 また、海外の洗車事情を紹介するウェブサイト、carwash.comによれば、ロシアではあまりにも汚い状態で走っているクルマに対して罰金を課す場合があると報じている。ただし、ロシアのウクライナ侵攻後の混沌とした社会情勢のなか、今でも洗車に関する法規制が実行されているかは定かではない。

 ところ変われば、洗車に対する社会の意識にさまざまな違いがある。


桃田健史 MOMOTA KENJI

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トヨタ・ハイエースキャンパーアルトピア―ノ等
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動物たちとのふれあい
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聖徳太子(多くの人の声を同時にしっかり聞くという伝説があるので)

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