ポルシェの歴代クーペモデルを紹介! (2/2ページ)

ケイマンに「718」がついた理由とは?

912(1965年)

 911と比べて圧倒的に知名度が低い912とは901型911に1.6リッター水平対向4気筒エンジンを搭載したポルシェのエントリーモデルです。

 エンジン以外にも4速MT(911は5速MT) 、3連メーター(911は5連メーター)など911と比べて装備に差をつけたことでリーズナブルな価格を実現。ただ、911より軽量のエンジンを搭載していたことなどでハンドリングはこちらのほうが上、など走行性能は高い評価を得ていたことも特徴です。

 912は1969年に販売が終了しましたが、後ほど紹介する914の販売が不調に終わったことで924登場までのつなぎとして2リッター水平対向4気筒を搭載する912Eを1975年に北米市場のみですが販売しています。

914(1969年)

 フォルクスワーゲンと共同開発し911より下に位置するポルシェのエントリーモデルとして登場した914。グラスファイバー強化プラスチック製の着脱式ルーフセンターパネルを装備していたことが大きな特徴です。

 ミッドシップレイアウトを採用した2シーターの914はフォルクスワーゲン製の1.7リッター水平対向4気筒エンジンと911搭載の2リッター水平対向6気筒エンジンを搭載。その後、4気筒エンジンは2リッターまで排気量拡大しています。

 ただ、914の販売は低迷。911ほどの人気を得ることはできず1975年に生産を終了しました。

924(1975年)

 914に変わるエントリーモデルとして登場した924。ミッドシップクーペだった914とは異なり2+2のFRレイアウトを採用しています。

 また、同車のエクステリアデザインは世界中のメーカーに影響を与え、同じデザインテイストのスポーツカーが数多く登場しました。

 FRとはいえ前後重量バランスを適切化すべくトランスアクスルを採用。2リッター直4NAエンジンを搭載しデビューした924は2リッターターボエンジンや2.5リッター直4エンジンを追加していき、レース向けホモロゲモデルの924カレラやその進化版となる924カレラGTSがラインアップに加わっています。

928(1977年)

 ポルシェのフラッグシップモデルとして開発され1977年に登場したのが928。924と同じFRの2+2レイアウトやトランスアクスル方式を採用していました。

 旗艦モデルとして登場した928には4.5リッターV8エンジンが用意され、その後、4.7リッターエンジンを搭載する928S、エンジンをDOHC化し5リッターに拡大した928S2を追加。

 1987年モデルからヌメヌメ(?)っとしたボディにフェイスリフトされ、最終的にエンジンを5.4リッターとしリヤフェンダーを張り出した928GTSへと進化しています。

944(1983年)

 先程紹介した924の上級モデルとして登場した944。924をベースにブリスター・フェンダーを装備したことで見た目の迫力は大いに増しています。

 デビュー時、928のV8エンジンの片バンクを用いて開発された2.5リッター直4エンジンを搭載した944は、1985年にエアロダイナミクス特性を強化したフロントエプロンを装備するなど外観が異なるターボ仕様を追加。

 1987年にはDOHC化したエンジンを搭載する944S、1989年からは排気量を2.7リッターに拡大したクラブスポーツ、3リッターエンジンを搭載する944S2が登場しています。

968(1993年)

 人気を博した944をベースにデザインを一新し1991年にデビューした968。928風のポップアップ式ヘッドランプがスタイリングの大きな特徴です。

 パワーユニットは944S4に搭載していた3リッター直4エンジンをベースにバリオカムの採用などによりパワーアップ。6速MTとポルシェ独自のティプトロニックを組み合わせました。

 968はクーペのほかカブリオレをラインアップ。ボディを軽量化しサスペンションを強化したクラブスポーツが1993年に追加されています。

 1995年に生産を終えた968はトランスアクスル方式を採用するポルシェの4気筒エンジン搭載車としては最後のモデルとなりました。

ケイマン

987型(2005年)

 ボクスターをベースにクローズドボディ化したクーペとして誕生した987型・初代ケイマン。ボクスター同様、ミッドシップレイアウトを採用していましたが、トップを収納する必要がなくなるクローズドボディとなったことでトランク容量や収納スペースが大きく拡大しています。

 デビュー時は3.4リッター水平対向6気筒エンジンを搭載していた987型ですが、2.7リッター水平対向エンジンを搭載するエントリーモデル、エンジンをパワーアップしたケイマンSスポーツ、最高出力330馬力を発揮するハイパフォーマンスモデルのケイマンRなど多彩なモデルを追加。

 ケイマンは911とは異なるスポーツクーペとして確固たる地位を獲得しました。

981型(2012年)

 フルモデルチェンジで2012年に登場した2代目は全長やホイールベースを拡大しながらも軽量化を実現。初代のイメージを踏襲しつつスタイリッシュさをアップさせたエクステリアデザインを採用しデビューしました。

 デビュー時は2.7リッター水平対向6気筒エンジンを搭載するケイマンと、3.4リッター水平対向6気筒エンジンを積むケイマンSをラインアップ。先代と比べて動力性能がアップしているだけでなく、電子制御式可変減衰力ダンパーなど走行性能を高める装備を充実させています。

 2代目は3.4リッターエンジンのパワーを向上させたケイマンGTS、3.8リッターエンジンや走行性能を高める装備を多数備えたハイスペック仕様のGT4などが追加されました。

982型718ケイマン(2016年)

 2016年に登場した第3世代のケイマンは車名を「718ケイマン」へと変更。この車名はポルシェが第二次大戦後に製造したレーシングカーの「718」を由来としています。

 スタイリングは歴代モデルからの正常進化といったフォルムを採用していましたが、大きく変わったのがパワーユニット。

 6気筒エンジンを搭載した先代から、3代目はダウンサイジングされた2リッター&2.5リッター水平対向4気筒を搭載。ただし、パワーは先代より向上しています。

 現行モデルとなる3代目は2017年にGTS、2019年に4リッター水平対向6気筒エンジンを搭載するGT4、2020年には同エンジンを搭載するGTS4.0といったハイパフォーマンス仕様を追加。2021年には最高出力500馬力を発揮するエンジンを搭載したGT4 RSをラインアップに加えました。

まとめ

 冒頭で紹介したように近年、SUVモデルに注目が集まるポルシェですがやはり911をはじめとするスポーツクーペには大きな魅力を感じます。

 今回、歴代のスポーツクーペを紹介してわかったのは、ポルシェはやはりスポーツカーメーカーだということ。

 現在販売されている911や718ケイマンも含め、ポルシェのスポーツクーペは他メーカーのモデルとは異なる個性を備えていることがわかりました。


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