コロナ明けで「お客」が戻れど「運転手」がいない! タクシードライバー不足が生む「問題」解決はライドシェアサービスしかない (2/2ページ)

タクシー不足の解消にはライドシェアサービスが有効!?

 前述した統計をもって「タクシーは稼げる仕事になった」と言うつもりはもともとない。仮に乗務員の補充が進み、車庫のタクシーすべてが稼働するような状況が戻れば、たとえインバウンド(訪日外国人観光客)も増え、需要が戻りつつあるとはいえ再び稼げない仕事というイメージが強調されることになるだろう。ドライバーの収入が多少でも潤っているのは歓迎すべきことなのかもしれないが、なかなか利用できないという状況が全国規模で起こっているのは悩ましい問題でもある。やはりここは、多くの海外諸国で導入されているライドシェアサービスの日本での導入に期待するしかないだろう。仮に一時的ではなく恒常的にタクシードライバーの収入が大幅に改善されても、キツイ、危険というイメージが払しょくされることはなく、生業としてタクシードライバーに就こうという人が飛躍的に増えるとは思えない。全職業にわたり働き手不足となっている日本では、若い世代ほど、より好条件な仕事が多いといえよう。

 そのなかで、フードデリバリーサービスのように空いた時間に自分のクルマでできる、正真正銘のライドシェアサービスが現状のタクシー不足の解消に効果を発揮するはずだ。二種免許取得を条件にし、稼働していないタクシー車両を貸し出す形でタクシー会社にライドシェア車両も管理させるという方法もあるかもしれないが、働きたい時にタクシー会社まで出向かなければならない面倒が発生する。たとえ日本人にはなじまなくても、欧米や東南アジアなど、どこからきているかに関係なく、インバウンドの多くは世界的だったり、地域でメジャーなライドシェアアプリをほとんどの人がダウンロードして日々利用しているのだから、それが日本でも使えれば需要の分散化ができるだけでなく、観光立国をめざす日本としても訪日時の利便性向上にもつながる(地域によってはすでにメジャーライドシェアサービスと提携したタクシーが走っている)。

 運転代行サービスの世界も働き手不足は深刻で、慣れている人は飲み始める時に配車予約を頼むとも聞いている。帰る時に頼むと数時間待たされることが当たり前なのである。だからといって決して許されることではないが、ついつい自分のクルマで飲酒運転して帰る人も後を絶たない。問題のレベルは違うかもしれないが、タクシーの稼働不足状態を放置しておくのはやはり良くないものと考えている。

 海外ではタクシードライバーは手っ取り早く稼げる仕事であり、欧米では移民、新興国の都市部では地方出身者がタクシードライバーとして従事することで日本より稼働状況は良いようだが、それでも新型コロナウイルス感染拡大による離職者が相次ぎ十分ドライバーを確保できないでいると聞いている。日本ではそもそも移民などはほとんど存在しないし、全国的に働き手不足なので海外のようなパターンでのドライバー確保はほぼ無理。タクシーやバス、トラック輸送に従事する時に必要な二種免許を持っているのに、実際にそのような職業に従事していない人も多いので、まずは二種免許保有者に限ってライドシェアサービスへの従事を解禁するなど、とにかく何か対策を打たない限りは従事する人にも利用する人にもあまりよくない未来が待っているといっていいだろう。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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