画期的ってもてはやされたと思ったけど……あれ? デジタルミラーがイマイチ普及しないワケ (2/2ページ)

デジタルアウターミラーの普及の壁となるのはコスト

 どちらも、使っているうちに慣れて便利に使っている人もいれば、どうしても馴染めず元に戻したいと後悔している人もいます。そのため、当初はあっという間に普及するかと思われましたが、期待したほどは広がっていない状況です。しかし、デジタルインナーミラーに関しては、これまで国産メーカーではマツダ以外はオプションを含めて採用車種があり、どんどん増えてきた印象。そしてついにマツダも、CX-90から純正で採用してくると見られています。

 アフターマーケットでは、後付けできるデジタルインナーミラーもさまざまなメーカーから販売されており、近年ではドライブレコーダーにデジタルインナーミラー機能が搭載されたものが人気のようです。

 それに対して、デジタルアウターミラーの普及は遅々として進んでいません。レクサスESとHonda e、アウディのe-tronまではもてはやされましたが、それ以降進んでいない状況です。原因としては、ESで言えばオプションで装着できるグレードが限られるうえ、価格が約22万円から28万円と高額なこと。インテリアに取り付けられるモニターがカッコ悪く、室内のエレガントさを削いでしまうことなどが考えられます。

 また、通常のサイドミラーでもとくに不満がなく、デジタルにする必要性を感じないというのも大きな理由となっているようです。

 ただ、モーターショーなどで登場するコンセプトカーのスケッチなどを見ていると、やはり近未来のクルマはミラーレスのデザインで描かれていることが多いと感じます。コスト面なども含め、デメリットをクリアしてさらに普及していくのか、それともまったく別のものに置き換わる可能性もあるのか、今後も注目したいところです。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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