画期的ってもてはやされたと思ったけど……あれ? デジタルミラーがイマイチ普及しないワケ (1/2ページ)

この記事をまとめると

■ここ最近で大きく進化したクルマの装備にデジタルミラーがある

■デジタルインナーミラーはそこそこ見かけるが使用には慣れが必要

■デジタルアウターミラーはまったく見かけずコストパフォーマンスも悪い

登場当初は画期的装備ともてはやされたデジタルミラー

 クルマの装備は日進月歩で進化していますが、ここ10年ほどの間で大きく変わった装備のひとつに、デジタルミラーがあります。2014年には、日産が世界で初めてデジタルインナーミラーとなる「インテリジェントルームミラー」を採用。2018年には、レクサスESに世界で初めてデジタルアウターミラー(サイドミラー)が登場しました。

 それぞれのメリット、デメリットとしては、まずどちらも目指すところは「常にドライバーに良好な視界を提供したい」ということ。通常のルームミラーの場合は、後部座席の人や荷室の荷物に視界を遮られたり、夜間や地下駐車場などの暗い場所、雨などの悪天候時にはリアウインドウが曇ったりすると後方を確認しにくくなってしまいます。

 そこで、車体後部に取り付けたカメラで後方の様子を写し、液晶モニターを搭載したミラーにその画像を表示させることで、良好な視界を提供しようとしたのがデジタルインナーミラーです。通常の光学式ミラーで見るよりも、広い範囲の様子が映し出されることや、後続車両のドライバーの表情などまで鮮明に見えることもメリットと言えるでしょう。

 デメリットとしては、後席の子どもの様子などを見たい時に見られなくなることや、老眼の人などはピントが瞬時に合いにくいといったことがあります。そのため、多くの車種ではデジタルインナーミラーと通常のミラーをスイッチなどで切り替えることができるようになっており、シーンや好みに応じて使い分けができます。

 そして デジタルアウターミラーのメリットは、やはり悪天候時にサイドウインドウが曇ったりすると通常のサイドミラーなら見えなくなるところを、室内に取り付けた専用モニターに左右の視界を映して見ることができ、視界が確保できること。視線移動が小さくなることや、モニターに映る周囲の車両を認識して目立たせたり、肉眼で見るよりも距離を分かりやすくする工夫もあります。

 デメリットとしては、慣れるまで少し時間がかかることや、サイドミラーによって車両間隔をつかんでいた人はその指標がなくなり、運転が不安になること。常に視界の隅でモニターがチラチラと動いているため、目が疲れると感じる人もいます。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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