こうしたパッケージでは過去に経験がない完成度
メルセデスAMGの小型SUVモデル、GLB 35を評価しよう。
早速乗り込み、駐車スペースからワインディング本線へと向かい、路面サーフェスの荒れたアクセス路をゆっくりと流す。路面からは絶えず入力を受けるが、振動をしっかりと吸収して静粛性も高い。これは相当なボディ剛性の高さのなせるわざだ。
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ワインディング本線へと入り、ペースを上げて本格的にダイナミクス性能を確認する。
まず素晴らしいのが2リッター直4ターボである。アクセルを踏み込んでも回転振動は滑らかで、じつに上質だ。それでいてトルクが出ていて扱いやすく、1860kg(OPのグラスルーフ込み)という車重を持つ試乗車にとってまったく不足のない加速を示す。
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AMGには45シリーズとして、さらにパワー・トルクの出ている2リッター直4エンジンも存在する。他モデルでそのエンジンにも乗ったことがあるが、少なくともこのGLB 35 AMGにおいて、現在のエンジンで何ら不満を感じることはなく、傑作エンジンのひとつといっても過言ではないだろう。
アップダウンが激しく、タイトなコーナーが続くワインディングを走るなかで、完成度の高さを感じたのがサスペンションだ。とくにフロントのストラットがいい。前後の動きに対して十分に反力が発生するようなレイアウトになっているため、たとえば下りコーナーへのアプローチで減速した際にもノーズダイブが抑えられている。つまり前輪に激しく荷重移動するということがない。
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同様にリヤのマルチリンクも加速時に反力を発生してスクウォートを抑えるような設計であり、あらゆる状況下でフラットライドが実現できてる。これは走りの質感、安定性、ドライバビリティを高めるために極めて有効だ。
反力の発生するサスであるがゆえにハードなサスであってもダンパーのコンプレッション側を弱くでき、走行安定性としっとりとしたコンフォート性が両立できるのだ。また、減速時に4輪すべてにシッカリと荷重がかかるため、フロントのブレーキシステムをそこまで強化せずとも、1輪のブレーキへの負担を下げつつ、十分な減速度も確保できる。
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これはボクが常々述べているサスペンションの理想型に近く、これまで試乗したクルマのなかでもトップクラスと言っていいだろう。
ブレーキシステム自体も優れており、踏力に対する減速度の変化がリニアでコントロール性が素晴らしいことも付け加えておく。
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さらにドライバビリティを高め、ドライビングプレジャーをもたらすことに貢献しているのが8速DCTだ。全体のレシオが日本の道にもマッチしていて、加えて2〜5速がクロスしているため、前述した優れたエンジンのパフォーマンスを十分に引き出せる。
そして、冒頭に述べたボディ剛性だが、ワインディング本線にて評価してもその印象は変わらず、ダイナミクス性能を確保するには十分、その上にある質感を高める振動剛性の領域をも余裕で満たすものになっていた。
この先もクルマの技術は進歩し続けていくのであろうが、少なくとも現時点で、この使い勝手を持ちながらこれだけのドライビングプレジャーをもたらすクルマには出会ったことがない。それほどによくできたモデルだった。
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※本記事は雑誌「CARトップ2026年7月号」の記事を再構成して掲載しています