【試乗】ドイツ御三家がこぞって採用! ハンコックの最新スタッドレス「iZ3」が示した氷上での安心性能

この記事をまとめると

■ハンコックのスタッドレスタイヤ「iZ3」をアイスリンクで徹底チェックした

■氷上の発進ではエッジの効いたトラクションを実感することができた

■滑り出しの穏やかな挙動がドライバーに優しいスタッドレスタイヤだった

限界領域の反応が穏やかなドライバーに優しいタイヤ

 ハンコックのスタッドレスタイヤ「ウインターアイセプトiZ3(Winter i・cept iZ3)」の試乗会が、関空アイスアリーナで行われた。

 ハンコックは、韓国最大のタイヤメーカーであり、現在、世界第7位のシェアを誇るグローバルタイヤメーカー。欧州の多くのメーカーからOEM(新車装着タイヤ)として承認されており、冬用タイヤの装着が法制化されたドイツでは、アウディ、ベンツ、BMW、ポルシェ、フォルクスワーゲンにOEMとして承認されている。

 ハンコックのスタッドレスタイヤは、2011年登場のWinter i・cept iZからスタートし、2016年にWinter i・cept iZ2、2024年にWinter i・cept iZ3(以下iZ3)が発売されている。

 開発拠点をフィンランドのイバロに置き、過酷な気象条件で開発テストが行われているという。

 特徴は、アイスブレーキング、アイスハンドリング、スノーブレーキング、スノーハンドリング、ウエットブレーキングなど、厳しい冬の路面に対応するよう設計されている点だ。

 コンパウンドは、低温で柔軟な新開発のi・ceptコンパウンド。これに回転方向指定のV字トレッドパターンを採用。その結果、従来品(i・cept iZ2)と比べ氷上ブレーキ性能が9%、加速性能(氷上トラクション性能)を11%向上。さらに大型ショルダーブロックの採用で、ドライハンドリング性能が19%向上している。また、太いV字パターンにより溝面積を24%拡大。ウエット路面やシャーベット路面での排水・排雪性を強化している。

 このほか、均一化した接地圧の低負荷分布により耐摩耗性は30%向上。転がり抵抗も低減しており燃費効率も向上している。

 そんなiZ3をアイススケートリンクの特設コースで試乗した。試乗車はトヨタ・ノア+205/60R16 96T。
テストステージがアイスリンクなので、氷上の低速域に限られた性能チェックになってしまうが、それでも発進加速や20km/hからの急制動、スラローム、コーナリングをチェックすることができた。

 その印象は、氷上グリップ限界で見ると、国産トップクラスのスタッドレスタイヤの性能には及ばないものの、十分に実用性のある性能を発揮することが確認できた。なかでも発進性能は、トレッド面が広く”ペタッ”と路面に接地している感触と、エッジの効いたトラクション感があり、トレッド面がタイヤを捉え、或いは軽く引っ掻きながら加速しているのが感じられた。

 ブレーキも、ABSを利かせながら安心感のある(減速感を感じる)制動感があった。

 旋回やスラロームでは、ハンドルがグイグイ利くというほどではないが、それでもハンドル操作に対してクルマが応答してくれ、ちゃんと狙った方向にクルマの向きが変わってくれる。とくによいと思ったのは、グリップ限界を超え、滑り始めるところ。唐突には滑り出さず、徐々に滑り量が多くなっていくし、滑り方もゆっくりなので、慌てずにアクセルを戻して車速を落としたり、ハンドルを少し戻してやる、といった対処がやりやすい。

 グリップ限界領域のタイヤの反応が穏やかで、ドライバーに優しいタイヤに仕上がっていると感じた。

 今回はテストできなかったが、太溝のV字パターンと大型ショルダーブロックをもっているので、雪上ハンドリング性能(ブレーキ性能)も期待できそうだ。

 さらに加えて、タイヤの許容最高速度を示す速度レンジは、国産スタッドレスが「Q」で160km/hまでなのに対して、今回試乗車に装着されていたiZ3は205/60R16 96Tで、速度レンジは「T」。190km/hまでとなっている。ドライ路面の一般道や高速道路で、よりしっかり感のある操縦性が期待できる。これもiZ3の魅力に上げていいと思う。


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