すっかり「近代化」が進んだラングラーのPHEVに試乗! それでも残る「アメ車」感とは (1/2ページ)

この記事をまとめると

■筆者はジープ・ラングラー RUBICON 4×eに試乗

■PHEVにもジープ車らしさを感じることができた

■インプレッションをお届けする

ジープ・ラングラーのPHEVモデルに試乗!

 先日、ステランティスグループのジープ・ラングラー RUBICON 4×eに試乗した。パワーユニットは2リッター直4ターボがベースのプラグインハイブリッドユニットとなり、これに8速ATが組み合わされていた。試乗車は左ハンドル仕様であり、より本国(アメリカ)に近いオーラを発していた。

 ちなみにPHEVではなく、一般的なICE(内燃機関)車については日本国内導入モデルでは2リッター直4ターボのみとなっている(北米市場では3.6リッターV6もあり)。実際にステアリングを握ってみると、ジープというか、アメリカ車らしいハンドルの遊びがなんともいえない好印象を醸し出していた。

 EV(電気自動車)モードで走らせてみると、確かにエンジン音は聞こえてこないのだが、タイヤから発せられるロードノイズは大きく、ほかにも風切り音など、いろいろな雑音が耳に入ってきて、BEV(バッテリー電気自動車)にありがちな無音にならないというのもまた、人馬一体といったイメージの強い「ジープ車(とくにラングラー?)らしいなぁ」と感じて運転した。

 実寸はかなり大きく、最小回転半径も中型トラック並みなのだが、実際に運転してみると、あまりそれを感じることはなかった。いかにもアメリカ車といったそのキャラクターだけでなく、走りの印象からも、心を広く持って運転できるのも「このクルマならではの持ち味だなぁ」と感じた。

 ただ、「PHEVを誰が買うのかな?」という素朴な疑問も浮かんできた。アメリカ国内はまだまだICE車が多いものの、カリフォルニア州あたりを中心にBEVは日本以上のレベルで普及している。カリフォルニア州では街なかを走っているクルマを見れば、テスラを中心にBEVをかなりの頻度で見かける。“シリコンバレーのIT系スタートアップ企業に勤める若手エンジニア”などという勝手なラングラーPHEVのユーザーイメージを持ちながら試乗を続けた。

 日本国内でも若年層を中心にラングラーは大人気で、日本はアメリカに次ぐ世界第2位の市場とも言われている。試乗車はメーカー希望小売価格で1030万円となり、さすがPHEVという価格設定だが、ICEモデルのUNLIMITED SAHARA(アンリミテッド サハラ)でも870万円となっている。ラングラーではさらにアクセサリーを多数装着するのもお約束なので、「そんなに高いクルマに若年層が本当に殺到しているのか?」という声もあるかもしれないが、日本も年齢や性別を問わず生活の多様化が進んでおり、裕福な若年層というものがもちろん存在する。

 ただお金持ちだけが買っているというわけでもない。ラングラーの日本国内における中古車での再販価値はかなり高い。残価設定ローンを組んで購入すると、若年層であっても意外なほど負担が少なく乗ることができるのである。

 また、若年層が注目するのは唯一無二のその存在感であろう。筆者のようなオジサンから見れば、ジープスタイルを踏襲しているという懐かしい印象だが、若年層から見れば、ほかの新車に比べて飛びぬけた個性的なスタイルに映るようだ。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

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