目線で車線変更! 意識を失うと自動停車! いまのクルマの運転支援&安全装備はココまで進んでいた (2/2ページ)

降車時の安全を確保してくれる機能も!

 そんな走行中の先進運転支援機能に加え、降車時まで安全を確保してくれる安全装備の一例が、レクサスNXから搭載されている降車アシストだ。レクサスNXの場合は前後ドアともにヒンジ式ドアだが、停車中、車内からスライドドアを開けようとした際、つねに後方を監視しているBSM(ブラインドスポットモニター)によって後方から接近する自転車や車両を検知すると、警告に加えドアを開けない安全装置が働くのである。

 しかも、その先進的な安全装備は、新型アルファードにはもちろん、ファミリーユーザー向けのノア&ヴォクシーのスライドドアにも採用されているのだ。スライドドアの場合は、後方から接近する自転車や車両を検知すると、警告音とともにスライドドアが停止(フロントドアにも同様の機能あり)。安全を確保してくれるというものである。ミニバンに乗っていて、せっかちだったり注意散漫な大人、安全意識がまだ身に付いていない子どもを助手席、後席に乗せる際は、とくに有効だと思われる。

 かつては使い物にならなかった駐車支援機能もここ最近、劇的に進化している。BMWを始めとする輸入車、トヨタのトヨタチームメイト装着車のアドバンスパークは、かなり実用的な自動駐車に加え、クルマがまるで実物大のラジコンカーのように、リモコンキーやスマホで動かすことまでできるのだ。とくに、クルマを停めて帰ってきたら、両側ギリギリにクルマが止まっていて、ドアが安全に開けられない……なんという場面では、リモート操作でクルマを出庫(前進)できたりする。

 そんな先進的な運転支援機能、安全装備の極めつけの一例が、新型BMW5シリーズに搭載されるオプションのドライビングアシストプロフェッショナルではないだろうか(当初、ドイツ、カナダ、アメリカ市場向けだが)。130km/hまでのハンズオフドライブを可能にしてくれるだけでなく、なんと世界初の視線誘導=目線でクルマの操作が可能になるというのだ。具体的には、車線変更を行うため、交通状況が許すシチュエーションで目線を車線変更する側のドアミラーを見ると、自動車線変更を行ってくれるというもの。おそらく日本仕様には用意されないと思うが、技術の進化はそこまで来ているということだ。

 運転中に意識を失ったときに自動停止してくれる先進運転支援機能&安全装備も出てきているが、できれば使う状況にならずに済みたいし、ほとんどの人が使わずに済むはずの機能だろう。

 一方、筆者が街乗りなどでその恩恵度を目いっぱい感じている先進運転支援機能が、先に触れたトヨタのプロアクティブドライビングアシストや、もっと基本的な機能、装備になるが、電子パーキングブレーキやオートブレーキホールド機能、ACCの渋滞時停止保持機能(一例として日産セレナ約30秒、トヨタ・ノア&ヴォクシーは約3分の保持時間が理想的。ホンダ車などの3秒ではあまりうれしくない)、ブラインドスポットモニターなどだ。

 超先端な運転支援機能が付いていなくても、そうした機能が付いていれば、ひとまず安全快適な運転が可能になると思う。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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