アルピーヌA110じゃなくてA610ってなんだ? 3リッターV6ターボを積んだ「超イケてる」クーペの正体 (1/2ページ)

この記事をまとめると

アルピーヌはグランツーリスモとなるA310を1971年に発売した

■A310は1985年にGTA(日本名V6ターボ)へと進化し1992年にはA610へとモデルチェンジした

■3リッターV6ターボエンジンは250馬力を発しスポーツカーのなかでも一線級の実力を有していた

アルピーヌが世に送り出したグランツーリスモ「A310」

 1971年のジュネーブショーで、アルピーヌはニューモデルの「A310」を発表した。それまでのアルピーヌといえば、この年のモンテカルロラリーで1位から3位までを独占するなど、そのモータースポーツでの活躍を背景に、スポーツカー市場でも非常に高い評価を得ていたが、ここで発表されたA310は、その直接の後継車というよりも、さらにアルピーヌのプロダクトラインアップをワイド化するための、より高級車市場を強く意識したモデルだった。実際にA110とA310は、1977年まで併売されている。

 A110からの伝統を継承したという点では、軽量なFRP製ボディと強固な鋼管バックボーンフレームの採用があげられるが、さらに積極的な変化を見せたのはボディデザインにほかならなかった。マイケル・ベリゴンドのスタイリングによるボディは鋭利でかつ攻撃的であり、それまでのA110のそれを一気に古典的なものに見せた。

 だが、リヤには相変わらずルノーの4気筒エンジンが搭載されていたため、カスタマーからはより強力なパワーユニットの採用が望まれ、1976年にはついにPRV(プジョー・ルノー・ボルボ)製2.7リッター V型6気筒エンジンの搭載が実現。その存在感は市場でさらに強まることになった。

 A310にはその後もさまざまな改良が施され、1985年まで販売が継続される。そして、さらなる進化型としてこの年に誕生したのがGTA(日本名V6ターボ)だ。

 1990年にはより攻撃的なフォルムを持つワイドボディの「ル・マン」モデルも追加設定されるなど、そのスポーツ性はさらに向上。


山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

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