アイシンと立命館大学が子どもの安全を守るためにタッグ! 目指す「安心安全マップ」とは (1/2ページ)

この記事をまとめると

■アイシンが立命館大学と「人とモビリティの未来を拓く」というテーマで共同研究をスタート

■その第一弾イベントとして「地理学の先生から学び、『地域の安全安心マップ』を作る」を開催

■地図データ開発技術と経営学・地理学からから身のまわりの危険を察知し回避していく重要性を伝えようというもの

アイシンと立命館大学のタッグで子どもを危険から守る

 トランスミッションをはじめとして、クルマに欠かせない多彩な技術を提供しているグローバルサプライヤーである「アイシン」。そんなアイシンがこのたび、立命館大学とタッグを組み、「人とモビリティの未来を拓く」というテーマを掲げて社会課題の解決を含めた革新的な共同研究をスタートしました。

 その共同研究の一環として、「子どもの性被害への対策」に着目した産学官での取り組みとなる第一弾のイベント、「地理学の先生から学び、『地域の安全安心マップ』を作る」が、2023年8月8日に京都市伏見区にある「京都トヨタ GRガレージ京都伏見」を拠点として開催されました。

 これは、長年培ってきた地図データ開発などのアイシンの技術と、立命館大学の経営学・地理学からの学術知見をかけあわせて身のまわりの危険を察知し、回避していく重要性を伝えようというもの。安全安心な毎日には、大人が子どもを見守ることに加えて、子ども自身でも不測の事態に備えることが大切です。

 では、どのように危険を察知するのか? それを学ぶことができるのがこのイベント。先生たちに加えて、京都府警察、伏見警察署それぞれのおまわりさんからのお話を聞いたあとは、実際に親子で街を探索し、危険な場所や安全な場所を調査。写真に撮って会場に戻り、それを使って「地域の安全安心マップ」の制作を行うというプログラムになっています。

 快晴となった当日は小学生の子どもたちと保護者10組30名ほどの参加者が集合し、ワイワイと賑やかな雰囲気でスタートしました。

 まずは、立命館大学 歴史都市防災研究所 副所長であり文学部地理学専攻の花岡和聖先生と、熊本大学大学院 人文社会科学研究部の米島万有子先生から、「子どもの性被害を防ぐための地理学的な対策の重要性」というテーマでお話を聞きます。といっても小学生にはちょっと難しいテーマなので、少しわかりやすく「まちの様子から安全安心を読みとく術」というお話をしてくれました。

「日常活動理論」によれば、ふたつのことが重なる場所や時間で、犯罪が起こりやすいと考えられているそう。今回のテーマでいえば、「小学生がいる時間や場所」と「人にみられにくい場所や時間」がそれに相当します。大阪府警が集計した、大阪府内の声かけ事案の時間別発生割合では、午前7〜8時の通学時間帯と、午後3〜5時の下校時間帯が多いというデータが出ています。その時間帯に、小学生がいるのは学校の近く、公園や児童館、塾などやその近くということが考えられます。

 ではそのなかで、人に見られにくい場所はどこかというと、まずまわりに家や人目のない道や遊び場、高い壁や草木で囲まれた場所、暗がりや人目のない場所に駐車されたクルマのなかなど、街のなかの隠れやすい場所。そして、ゴミが散乱していたり、草がボウボウのままだったり、落書きがあるような、住民が無関心な場所も、犯罪が起きやすい場所と考えられます。

 また、街のなかで安全安心を知らせるしるしや場所を見つけるポイントも教わりました。たとえば、きれいに掃除され、お店や家など人目がある道、全体を見渡せるような公園、「こども110番の家」のしるしや、「見回り中」など防犯活動をしているしるし。大切なことは、街の様子は天気と同じで、場所や時間によってコロコロ変わるため、安全な場所と危険そうな場所を常に観察し、危険そうな場所や時間には近づかないようにすることです。

 子どもたちは、いくつかの街の写真のなかで、あやしい人がどこに隠れているかを当てるクイズに大盛り上がり。高い塀が続く道の切れ目、公園の植え込みの後ろ、薄暗く人通りのない道など、自分たちのまわりに当たり前にある光景でも、こんなに危険が潜んでいるということに驚いている様子が印象的でした。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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