過去最高の営業利益を叩き出した! 相変わらずも「納期遅延」に苦しむなかでもトヨタが絶好調な理由とは (1/2ページ)

この記事をまとめると

■トヨタの業績が回復しつつある

■第1四半期で営業収益は10兆5468億円、営業利益は1兆1209億円と過去最高を記録した

■納期遅延はまだ続いているので、今後は販売方法の変革が必要となるかもしれない

納期遅延がありながらも過去最高の営業利益を記録!

 トヨタの業績が順調に回復している。

 直近では、2023年8月1日公開した2024年3月期第1四半期決算で、その好調ぶりが明らかになった。連結の販売台数は、前年同期比115.5%の232万6000台。このうち、日本市場では、同132%増と大きく伸びて53万2000台だった。営業収益は10兆5468億円、営業利益は1兆1209億円と過去最高で、4-6月期としては初の1兆円越えとなった。

 こうした販売好調の理由について、トヨタは「長らく続いた半導体需給の改善に加え、仕入先と一緒に進めてきた生産性向上活動」という大きくふたつの点を強調した。

 これら2点を順に見ていく。

 まず、いわゆる半導体不足は、2020年からのコロナ禍によって、グローバルで企業活動を含めた社会全体の動きがアンバランスとなり、近年クルマでの利用が増えている半導体が自動車産業向けに十分な配分がなされない状況が生まれた。半導体以外の素材や部品でも、供給が滞るケースが相次いで発生した。これに、ロシアのウクライナ侵攻が追い打ちをかけた。欧州内ではエネルギー安全保障の問題が一気に表面化し、船舶などによる輸送についても大きな影響が及んだのだ。

 2点目の、仕入先と一緒に進めてきた生産性向上活動とは、トヨタで言う「見える化」を部材や部品などの仕入れや流通に対しても適合するという考え方だ。たとえば、入手が困難、またはかなり遅延する部材や部品が想定される場合、代替品を仕入れるなど、いわゆるプランBやプランCなどを予め設定する。こうした対応策について、具体的な内容をトヨタが記者会見で説明し始めたのは、2022年になってからと、まだ日が浅い。

 いずれにしても、さまざまな企業努力により、トヨタの生産と販売は日本のみならずグローバルで回復に向かっている。


桃田健史 MOMOTA KENJI

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トヨタ・ハイエースキャンパーアルトピア―ノ等
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