「Cセグ」とか「Dセグ」って一体何? よくわからないけどクルマの専門媒体で見かける「区分」について考えてみた (2/2ページ)

次のフルモデルチェンジでゴルフが「Dセグ」になる可能性も!

 そもそも全長で区切るという分類についても、モデルチェンジごとにボディサイズが成長していることを考えると、適切な分類法なのか疑問も残る。

 コンセプトもターゲットユーザーも大きく変わっていないのに、ボディサイズが拡大しただけでセグメントが変わってしまうというのは逆にわかりづらい。

 たとえば、冒頭でVWゴルフはCセグメントのベンチマークと紹介されることが多いと記した。現行モデルの全長は約4.3mとなっているが、仮にここから15cmほど全長が伸びると全長だけを基準にするならDセグメントに分類すべきという意見も出てくるだろう。

 しかし、市場トレンドの変化を掴むという意味では、全長だけにこだわるのは逆にわかりづらくなるともいえる。おそらくゴルフが大きくなればCセグメントの基準を微妙に調整していくと予想される。

 前述したSUVも含む話になるが、結果としてサイズによるセグメントの分類を曖昧にして、マーケティング的な視点も含めて、セグメント分類をしているというのが現実に近いのではないだろうか。

 いずれにしても、アルファベット+セグメントと表記される自動車の分類については、絶対的なルールが存在しているわけではない。つまり、エビデンスに基づくものではなく、たぶんに主観的な面もあるといえる。

 ちなみに、日本における乗用車の分類としてオフィシャルに扱うことができるといえるのは、ボディサイズや排気量によって分類される「軽乗用車/小型乗用車/普通乗用車」と、ボディ形状を示す「箱型/幌型/ステーションワゴン」だけとなっている。しかしながら、これらを組み合わせて、「幌型の軽乗用車」だとか、「ステーションワゴンの普通乗用車」といった分類だけでは実際のマーケット事情に即していないのも事実。

 結果としてアルファベット+セグメントというのは、リアルなクルマ選びにおいてライバルをまとめる便利な表記となっている面は否めない。

 まとめると、自動車を分類する「セグメント」という言葉が説明できないことは問題ない。むしろ、セグメントという言葉は、時と場合によって微妙に意味が異なり、文脈によっては示す内容が異なるケースもあり得るということを理解しておくことのほうが重要だ。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
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モトブログを作ること
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