ブタにゃみえないけど「ブタケツ」と呼ばれるのはナゼ? 「2代目日産ローレル」がいまや旧車乗りのアイドルだった (1/2ページ)

この記事をまとめると

■日産の2代目ローレルは「ブタケツ」の愛称で親しまれている

■同時期のスカイラインともパーツが共通となっておりカスタムシーンでも人気だった

■現在では旧車イベントなどでアイドル的な人気となっており、中古でも高値となっている

「ブタケツ」の愛称で親しまれる日産の名車

 さてクイズです。「ブタケツ」と呼ばれる旧車の車種名は?

 クルマ好きのなかでも40代以上でないと「聞いたこと無いよ」という人も多いのではないかと思いますが、旧車好きならほぼ100%の認知度ではないでしょうか? 正解は「日産ローレル」です。

 この「ブタケツ」、正確には「C130系」のローレルの愛称で、昭和47年(1972年)から発売された2代目のローレルだけがこう呼ばれています。

 ここではそんな妙な愛称が付けられた「日産ローレル」について語っていきたいと思います。

そもそも「ブタケツ」とはなんぞや?

 まずこのC130系のローレルには、大きく分けて“2ドア・ハードトップ”と“4ドア・セダン”の2種のボディタイプがあり、「ブタケツ」と呼ばれるのは“2ドア・ハードトップ”のほうのみです。ちなみに“4ドア・セダン”のほうはそのフロントマスクのデザインから「ガメラ」と呼ばれています。

「ブタケツ」の由来ですが、リヤビューの画像を見てください。どうですか? はい、わかりませんね(笑)。この130系ローレルの特徴は、大きく盛り上がったリヤフェンダーの形状と、テールランプがバンパーに埋め込まれたことによって面積が増したトランク部分によるボリューム感のある“尻”にあります。

 この尻の大きな後ろ姿を見た当時のヤンチャな人たちの間で「ブタのケツみたいにデカいテールだな」と言われたとか言われてないとか……。個人的には別の愛称である「カンオケ」のほうがなんかしっくり来ましたが、皆さんはどっちでしょうか。

「ブタケツ」ってどんなクルマ?

「ブタケツ」ことC130系ローレルは、「ケンメリ」スカイラインの姉妹車です。内外装はそれぞれ違いますが、シャシーは共通で、エンジンや足まわりはほぼ同じ仕様です。そのため、エンジンやマフラー、足まわりのカスタムパーツも同じものが使えます。

 車格的にはスカイラインとセドリック/グロリアの間にあたり、走り重視のGT(グランツーリスモ)であるスカイラインに対して、高級車のミドルクラスモデルという位置づけのローレルという関係性になります。

 内装を見るとその違いが明らかで、黒を基調としたスポーティな雰囲気のスカイラインに対して、茶や緑系の色調のデラックス感のあるデザインのローレルといった感じです。

 それもあってか、当時のヤンチャ系の人たちの間では、実力派のポジションの人はケンメリやハコスカに好んで乗り、幹部クラスの人たちはローレルを好んでいたという話もあります。

 そんな「ブタケツ」ローレルの新車販売当時のキャッチフレーズが「ゆっくり走ろう、ローレル」だったのを知って、いまの人気の理由と比較すると「フフッ」と笑いがこみ上げてくるのは私だけでしょうか?


往 機人 OU AYATO

エディター/ライター/デザイナー/カメラマン

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スズキ・ジムニー(SJ30)※レストア中
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釣り/食べ呑み歩き/道の駅巡りなど
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