新車ディーラーにも「ミステリーショッパー」が存在! いったい何をチェックしているのか? (1/2ページ)

この記事をまとめると

■覆面調査員的な「ミステリーショッパー」と呼ばれる人が新車販売の世界にもいる

■それがゆえ一見冷やかし客でも丁寧な対応をするディーラーが多い

■かつてはライバルディーラーへ若手セールススタッフがお客のふりをして送り込まれることもあった

新車販売の現場でも覆面調査員が存在する

 “ミステリーショッパー”という言葉を聞いたことはあるだろうか? 日本語でたとえれば“覆面調査員”あたりがわかりやすいかもしれない。さまざまな飲食店や小売店の客に扮し、接客や店内レイアウト、清掃が行き届いているのかなどを調査し依頼人に報告する人たちのことである。

 新車の販売現場においてもミステリーショッパーは当然活動している。事情通は次のように語る。

「なんとなくですが、この人は……というのは接客していてわかることがあるようです。応対するセールススタッフの接客姿勢は当然ですが、お出しした飲み物を飲み干したときにおかわりが出てくるか、さらにその出てくるタイミングなどもチェックしているようですね。トイレも清掃が行き届いているかなどチェックするのはマスト項目となっているようです。ミステリーショッパーへの依頼者は、メーカーもしくはそこに近いところとなっているとも聞きますが、聞いている限りは調査対象となったセールススタッフ個人ではなく、そこの責任者へ報告があがるようで、あくまで個人攻撃ではなく店舗運営に役立てるデータのひとつという位置付けのようです」。

 昭和のころの新車ディーラーなら、新車販売のプロとしてのセールススタッフの勘で冷やかしかそうでないかで接客姿勢が大きく変わることもあったが、いまではミステリーショッパーという存在があるので、誰が訪れてもそれなりの対応をしてもらえるようになっている。ちなみに筆者の父はわざとみすぼらしい恰好をし、セールススタッフの反応を探っていた。

 ミステリーショッパーはなにも覆面調査員だけではない。令和のいまではパワハラ扱いされてしまうだろうが、昭和や平成初期には休日に「ライバルディーラーをまわって情報を集めろ」と若いセールススタッフにハッパをかけるディーラーもあったとのこと。メーカー間でのライバル車の販売競争が激しかったころなので、敵状視察による情報収集は販売促進活動に有効だったことも大きい。ただ、いまでも販売現場を訪れると「ライバルディーラーへ様子を見に行ってきた」とたまに話してくれるセールススタッフに遭遇することがある。

 しかし、接客姿勢に対する来店客の満足度は人それぞれともいえるので、画一的なチェックポイントによる評価にすがっているのもあまり感心できないと考えている。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

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