運転中のイヤホンによるスマホ通話は「手で持たず」「画面を見ず」でもNG! ながら運転とは別の違反の可能性とは

この記事をまとめると

■ながらスマホをしながらの運転行為は近年厳罰化されている

■イヤホンを接続しての通話でも違反になる可能性がある

■道交法には明記されていないが条例で明確に禁止されている都道府県は多い

ながら運転とは別の違反になる!

 携帯電話、カーナビ、スマホなどに普及により、そうした画面を注視したり、操作しながら運転することによる事故が増え、2019年12月の道路交通法の改正で、いわゆる「ながら運転」に対する罰則が強化されたのはご存じのとおり。

 とくにスマホに関しては、「運転中に携帯電話を保持すること」と「運転中に携帯電話の画面を注視すること」が違反の対象になり、厳しく取り締まりが行なわれるようになった。

運転中にスマホ画面を注視している写真

 こうした中、ルールを一部誤解したまま運転中にスマホで通話し、違反キップを切られたドライバーが少なからずいる。

 その中でとくに目立つのが、イヤホンを使っての通話で御用になるケース。

イヤホンを装着しているイメージ写真

 前記のとおり、イヤホンを使えば「運転中に携帯電話を保持すること」と「運転中に携帯電話の画面を注視すること」に抵触しないが、安全運転義務違反になる可能性がある。

道路交通法第70条 (安全運転の義務)

「車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない」

 イヤホンを使って、周囲の音が聞きづらい、あるいは会話で集中力が分散されるという状況は、安全運転義務違反になり得るからだ(安全運転義務違反の罰則 違反点数2点 普通車の反則金9000円)。

パトカーに取り締まられているイメージ写真

 ただし、道路交通法には、イヤホンの使用についてNGであると明記されているわけではない。そういう意味ではグレーゾーンなわけだが、都道府県によっては明確に禁止されていることがあるので要注意。

 運転中のイヤホン使用を禁止している都道府県は次のとおり。

北海道、宮城県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、東京都、神奈川県、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県

 また、秋田県、千葉県、山口県、佐賀県でも、「安全な運転に必要な音声が聞こえない状態」での車両の運転を禁止している(各都道府県の条例に違反して運転中にイヤホンを使用した場合、「公安委員会遵守事項違反」となり、普通車で反則金6000円のペナルティが科せられる)。

 ちなみに、道路交通法や各都道府県の条例には、「(イヤホンの)片耳だけの使用ならOK」とはどこにも書かれていないので、片耳だけでも違反になる可能性は否定できない。

 さらに、マイク付きイヤホンを使って通話をした場合でも、同様に、違反になる恐れがある。結局のところ、運転中はスマホを触らない、通話しないのが一番ベスト。

片耳用イヤホンのイメージ写真

 どうしてもというときは、スマホをホルダーなどに固定して、Bluetoothに接続したりして、ハンズフリーで、なおかつ両耳ともイヤホンで塞がずに使用するしかない。

クルマのダッシュボード上に設置されたスマホホルダーのイメージ写真

 そうすれば法律上はクリアになるが、会話に夢中になりやすい人や、そもそも運転に余裕がない人などは、合法、違法にかかわらず、運転中の通話は自主的に控えて、ドライビングに集中できる環境をキープして欲しい。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

愛車
日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
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