初見殺しは当然ベテランでも緊張する人多数! 難易度MAXの「首都高」を上手に走る方法とは (2/2ページ)

首都高は一般道並の制限速度の場所がほとんど

 ところで、首都高にサーキットのようなイメージを持っていないだろうか? たしかにゲームやコミックの世界では、首都高を舞台に速度を競うコンテンツは多数あるが、それはフィクションの話であって、現実的には首都高の制限速度はおおむね40〜60km/hとなっている。あくまで歩車分離をすることで安全かつスムースな移動を狙った道であって、高速で走るための道ではない。

 前述したようにクネクネと曲がった道路設計が多いのは、基本的に速度を出す前提ではないからともいえる。

 実際、昼間の首都高を走るとほぼ制限速度で流れている。60km/hといえば一般道で日常的に出している速度域であり、その点においては首都高を走るからといって身構える必要はない。むしろ、渋滞していることのほうが多いかもしれない。

 つまり、走行テクニックとしては、それほど高速走行に慣れていなくても大丈夫といえる。

 ただし、気をつけてほしいのは、首都高の場合は出口が必ずしも左側とは限らないことだ。ナビが、「もうすぐ出口です」と教えてくれたからといって左側に車線変更してはいけない。ナビや案内標識によって目的の出口が左右どちらにあるのかを確認する必要がある。

 通常の高速道路であれば、慣れるまでは左端の走行車線を走り続けることで難しい車線変更を避けることができるが、首都高を走るとなると車線変更は避けては通れない。

 そこで重要なのが意思表示だ。

 適切なタイミングでウインカーを点滅させ、自分がどちらに行きたいかを周囲にアピールすることでルートを確保したい。一部、ウインカーを出してると意地悪されるという意見もあるかもしれないが、接触事故を起こしたいと願っているようなドライバーは基本的には存在していないだろう。

 ウインカーやブレーキランプによる意思表示を積極的に活用することが首都高を走りやすくする。手をあげたり、顔の向きを変えるなどして、周囲のドライバーに意思を伝えることも有効だ。

 かつて自動運転の研究者と、自動運転で首都高を走ることの難しさについてディスカッションしていたところ「自動運転車は周囲とのネゴシエーション(交渉)が苦手な部分があります。自動運転車同士であれば車々間通信を利用できますが、人間同士のネゴシエーションはボディランゲージなども含めて行っているので無人走行のクルマが真似するのは難しい」という結論になったことがある。

 つまり、人間だからこそのコミュニケーション能力を十分に活用することは、首都高をスムースに走るためのポイントとなる。初・首都高ドライブとなれば緊張してしまうだろうが、だからこそ周囲のドライバーに自分の意思を伝えることを意識してほしい。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

愛車
スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
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モトブログを作ること
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