納車費用とは? 相場はいくら? 新車・中古車の購入には納車費用の有無が鍵だった (1/2ページ)

この記事をまとめると

■中古車の販売価格表示が支払総額表示に変わった

■理由は不適切な販売行為が横行していたためだ

■あらためて納車費用について解説する

わかるようでよくわからない「納車費用」

 2023年10月1日から中古車の販売価格表示が車両価格ではなく、支払総額表示に変わりました。これは安価な車両価格で集客し、商談時に保証や整備の購入を強制するなど、不適切な販売行為が横行していたことを是正するための改正となります。

 確かに中古車購入時、車両価格以外の諸費用がよくわかなかったのは事実。諸費用については、新車購入時も同様ですが、費用の明細や価格がわかることで安心できるのは間違いありません。

 それら諸費用のなかでもよくわからないのが納車費用。クルマ購入後、車両を自宅や駐車場に運んでもらう費用だとイメージしますが、必ずしもそれだけの費用ではありません。

 今回は納車費用について詳しく説明していきます。

納車費用とは?

 クルマの購入時、とくに新車購入したときに発生するのが納車費用。本来、納車費用とは、クルマを購入した販売店から購入者が指定した場所まで車両を届けた際に発生する費用です。当然、購入時に販売店まで車両を引き取りに行けば発生しない費用ですが、陸送代としてだけではなく、自動車登録費用、クリーニング・洗車代まで含むなど、複合的にかかる経費としている販売店もあります。

 新車・中古車かかわらず、納車費用がなにを示しているかを確認することが購入時に必要となります。

陸送費・輸送費との違いは?

 多くの人が納車費用は陸送費と認識していると思いますが、先程お伝えしたように、販売店によって納車費用の詳細は異なっています。

 多くの業者にとって、陸送費および輸送費はその名の通り、販売店から自宅など購入者が指定した場所に車両を届けるためにかかる費用。陸送・輸送は販売店スタッフが車両を運転して移動するだけでなく、積載車で運ぶこともあります。

 これら陸送費・輸送費にプラスし、さまざまな費用が加えられたものが納車費用と認識して間違いないでしょう。

オンライン化に伴って発生しないことも

 新車ディーラーで新車を購入するために見積書(正式には見積書ではなく、商談メモなどと呼ばれるもの/以下見積書)をセールススタッフに作成してもらうことになります。見積書ができあがると、セールススタッフは、見積書に計上されている各諸費用などの項目について説明を行うのが大原則となっています。

 見積書をベースに、車両本体価格や装着オプションなどから値引きを引き出すべく、セールススタッフと交渉を進めていくことになりますが、販売諸費用の一部も交渉次第ではカット可能となるものもあります。その代表的なものが、車庫証明申請代行費用と納車費用でした。

 車庫証明申請代行費用については、セールススタッフが購入者に代わり、車庫証明申請書類一式を所轄署へ持ち込み、そして交付を受ける代行手数料となります。ただし、OSS(自動車保有関係手続のワンストップサービス)が、ほぼ全国で対象となっているので、いまはこの諸費用自体は一般的には計上されていません。OSSとは、新車購入に関していえば、新規登録手続きに関してその煩わしさを解消すべく、手続と税・手数料の納付をインターネット上で一括して行うことを可能としたものであり、車庫証明(保管場所証明)も電子申請で行うのがいまでは一般的となっています。

 また、OSSでの手続きについても、購入したディーラーに代行してもらうのが一般的となっており、いまでは、「OSS申請代行費用」という項目が設けられています。


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