歌舞伎町のエレクトリカルパレードが消える! ど派手な「宣伝トラック」はそろそろ見納めか? (1/2ページ)

この記事をまとめると

■交通量が多いところで目にする広告宣伝車

■トラックを利用したものは宣伝トラック、アドトラックなどと呼ばれる

■今後、広告宣伝車の規制が厳しくなる可能性がある

視線を集めて広告を見てもらうことが目的

 都心の繁華街、人もクルマも交通量が多いところに現れるのが広告宣伝車だ。トラックを利用したものは、宣伝トラック、アドトラックなどと呼ばれる。本来は荷物を運ぶためのスペースを看板として利用することで、クルマの乗員や通行人の視線を集めて広告を見てもらうことを目的としている。そのため、看板部分は派手なデザインで、さらに看板自体を光らせたり、周囲に電飾を巡らせているものもある。

 なかには荷台スペースに看板を設置しただけの、荷物を運ぶ機能を省略してしまったアドトラックも見かけることがある。他にも路線バスを改装したラッピングバス風の広告宣伝車なども見かける。こうなると、看板以外も異様なルックスになるため、さらに注目を浴びることで宣伝効果を発揮するのだ。

 じつは東京都では、このアドトラックの通行に関する規制を2011年に設けている。これは広告の内容や方法について審査して通行許可を与えるものだ。公序良俗に反していないか、刺激が強い表示方法ではないかなどチェックを受けるのである。

 しかし、現在も水商売や風俗嬢の募集などのド派手なアドトラックは都心を走りまわっている。東京都が規制できるのは都内で登録された車両だけなのだ。したがって、通常では表示が規制されている風俗関係の募集など、際どい案件も県外ナンバーであればならまだ通行可能なため、過激な広告の県外ナンバーのアドトラックが現在でも走りまわっている、というわけだ。

 そこで2023年4月には、東京都と神奈川、埼玉、千葉の知事、さらに政令指定都市の市長が集まった会議で、小池都知事は広告宣伝車の規制を1都3県、5つの政令指定都市に広げる考えを示した。

 ちなみにビル屋上の看板などは、状況に応じて地方税が課せられている。つまり、アドトラックは高い宣伝効果がありながら、自治体には何の恩恵ももたらさないことも問題なのかもしれない。ビル看板との公平性に欠ける、ということでビル看板業者や広告主からは不満の声が上がることも懸念しているのではないだろうか。


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