降雪地域の道路脇にある「箱」! 中身の「砂利」と「白い粒」の正体と使い方とは? (1/2ページ)

この記事をまとめると

■降雪地域では冬になると道路に凍結防止剤が散布される

■凍結防止剤の主成分は塩化カルシウムで凍結防止剤の主成分にピッタリだが、一方で金属を錆びやすくする

■降雪地域には道路脇に滑り止め用の砂が入った砂箱が設置されている

凍結防止剤としても融雪剤としても有用な塩カル

 厳冬期になると、高速道路や一般道の橋梁、坂道などに、白い小さな粒が散布されることがある。あれは路面の凍結を防ぐための凍結防止剤であり融雪剤でもある。

 その主な成分は塩化カルシウムで、略称「塩カル」として知られている。塩化カルシウムの化学式は「CaCl2」。豆腐の凝固剤や除湿剤にも使われているが、融雪剤に使うのがメジャー。

 水に溶けやすい性質で、水に溶かすと凝固点が低くなるからだ。ご存じのとおり、真水は0℃で凍ってしまうが、塩が溶け込んでいる海水は0℃でも凍らない。その理屈を応用したもの。

 ちなみに塩=塩化ナトリウムをとかした水=塩水は、最大で約-20度まで凝固点を下げることができるが、塩カル=塩化カルシウムの水溶液は、最大約-50度まで凝固点が下られるので、凍結防止剤には最適。

 しかも、塩カルは水に溶けるときに発熱する性質があるので、融雪剤としても有用だ。

 道路に撒いても比較的害の少ないことでも知られているが、道路周辺の植物にとっては歓迎できるものではなく、塩カルを撒布する道路付近では、植物が育ちにくかったり、枯れたりすることもある。

 また、直接素手で触れると、薬品なので皮膚炎になる可能性があり、撒布をするときはゴム手袋などを用いて作業を行なうことが肝心。

 さらに、塩カルの塩分は、金属を腐食させる力があるので、塩カルの撒いてある道路、つまり雪道を通ったあとは、ボディの下まわりを中心に、車体全体を洗車して、塩分を洗い流してやるのが、クルマを長持ちさせるコツになる。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
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