「ユニック」「コンクリートポンプ車」「キャリアカー」とトラック七変化! 意外と知らない特装トラックの世界

この記事をまとめると

■トラックベースの「特装車両」は少なくない

■特装車両には用途に合わせた架装が施されている

■キャリアカー、コンクリートポンプ車、ユニック車について解説

さまざまな特装車両が人々の生活を支えている

 日々、わたしたちの暮らしを支えてくれているトラックたち。いろいろなものが発展し、とても便利な世の中になった現在であるが、その裏側では汗水を流して活躍してくれている人たちがいるということを、決して忘れてはならない。自分自身が携わっている仕事はもちろんのこと、経験したことのないような仕事であっても、自分自身を含めた世の中の役に立っている。その事実を常に覚えてさえいれば、きっと世の中を平和に渡り歩いていけることだろう。

 なかでも職人やトラックドライバーは、とかく悪く思われてしまいがち。ガラが悪そうだという固定観念や先入観で物事を見ているのかもしれないが、ある意味ではサラリーマンより厳しい環境のなかで成り立っている。体育系といえば時代錯誤かもしれないが、男の仕事とは得てしてそのようなものではないだろうか。そのような厳しいなかで仕事をするからこそ礼儀を学び、秩序を守れる人間になれるのである。

 職人の世界にはさまざまな業種が存在しているが、トラックも同様だ。一般的なのは屋根を持たない平型の平ボディ、箱型の箱車や冷凍車、砂などを運ぶダンプカー。そしてゴミを運ぶ塵芥車(パッカー車)や糞尿を運ぶバキュームカーなどの特装車両も存在する。特装車両とは、指定された特殊な荷物を運ぶために開発されたもので、その種類は多い。ここでは、そのなかの一例をご紹介したいと思う。

 まずは、自動車を運ぶキャリアカー。小さなものからトレーラーまで存在するキャリアカーは、誰しもが一度は見たことがあるだろう。積荷がむき出しの状態であるがゆえ、自動車を運ぶためのトラックであるというのは一目瞭然だ。

 そして、家畜運搬車。ベコ車とも呼ばれるもので、その名のとおり牛や豚などを運ぶトラックである。ちなみに、競走馬を運ぶトラックのことは、馬運車と呼ばれている。トラックなのかバスなのかわからないような独特の形状を持つ馬運車は、リヤに「競走馬輸送中」と書かれたアンドン(看板灯)を取り付けている場合が多いため、こちらも積荷がなにか即座に判断できるだろう。

 しかし、なにを運んでいるのかわからないようなトラックも存在する。そのなかのひとつが、コンクリートポンプ車だ。これは工事現場で活躍するトラックで、厳密に言えば荷物を運ぶトラックとは少々内容が異なるかもしれない。工事現場にコンクリートを流し込むトラックであるため、どちらかといえば職人車のカテゴリーに該当するだろう。

 そんなコンクリートポンプ車は稼働部分が多いため、工事現場で見かけられた際にはその作業風景を堪能してほしい。手元のリモコンで操作する熟練ならではの手さばきには、きっと惚れ惚れしてしまうことだろう。

 同じく乗り手の技術力が必要とされるのは、搭載型のクレーンを装備したトラックである。ユニック車という呼び方で知られるものであるが、ユニックとは古河ユニック株式会社が製造販売している搭載型クレーンの商品名。そのため、他メーカーの商品を搭載している車輌のことはクレーン車、および正式名称である搭載型トラッククレーンと呼ぶべきなのであるが、国内初のクレーン付きトラックが「UNIC100」であったことから、すべてのものをユニック車だと呼ぶ傾向にある。

 市街地で電線を避けながらリモコンでクレーンを動かすその様は、まさしく職人芸。こちらもぜひ、機会があれば作業風景を満喫することをオススメしたい。


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