タイのクルマ好き女子に「かわいい」ブーム到来で「キューブ」に「ムーヴキャンバス」が人気だった

この記事をまとめると

■タイではかわいらしいフォルムのGWM ORAグッドキャットがよく売れている

■かわいいクルマがブームなのかタイに正規輸入されていないはずの日産キューブを街なかでよく見かけた

■ORAグッドキャットのヒットで「かわいい」ものを求める動きが目立ってくるかもしれない

タイの中国車線戦にかわいいが発生!?

 タイでは中国GWM(長城汽車)のコンパクトBEV、「ORAグッドキャット」がよく売れている。最近でこそBYD(比亜迪汽車)やAION(広州汽車)、NETA(哪叱汽車)などからコンパクトモデルのBEVがラインアップされているが、2022年からしばらくはORAグッドキャットのみとなっていた。かわいらしいフォルムとちょっとプレミアムな雰囲気をもっており、富裕層の子女の人気を得たようである。

 ただ、前述した中国系ブランドの後発モデルは、ORAグッドキャットほど「かわいい」といったイメージが伝わってこない。インドネシアで先行販売され、2023年にタイ市場にも進出を果たした、ウーリン(上海通用五菱汽車)のマイクロBEVとなる「エアEV」も、インドネシア市場では「かわいい」ということでよく売れたようだが、クルマに限らず「かわいい」ものが溢れる日本で生活している筆者にとっては、いまひとつピンとこない。

 欧米や日本、韓国系ブランドには「かわいい」と思えるモデルがラインアップされていないことに気が付いた。そのなか2024年3月下旬から4月上旬に開催された「第45回バンコク国際モーターショー」会場において、中国チャンアン(長安汽車)が「ルーミン」という、かわいいマイクロBEVを展示していたので、タイでも「かわいいクルマ」が増えてくるのかもしれない。

 そんなことを思いつつ、バンコク市内で街を走るクルマを定点観測していると、意外なほど見かけたクルマがある、それは日産キューブである。見かけたのは3代目が圧倒的に多かったのだが、それでも日本国内終売から4年が経過している。なかには終売から16年が経過しようとしている2代目も見かけた。

 そこで地元の知人に聞くと「日産キューブはタイには正式販売はされていなかったはず……」との意外な答えが返ってきた。

 それでも、いまだに街で日産キューブを見かける。調べてみると複数のファンサイトも存在するほど、熱烈にキューブを愛するタイの人がいるというのだ。現地中古車サイトを見ても、3代目で程度のいいものの価格は「応相談」が多く、価格表示されているものも年式から考えれば結構高値で取り引きされていた。

 以前定点観測していたときには、光岡ビュートも走っていた。今回の定点観測では日産パオも目撃した。日産がパオを終売したのは1991年だから、すでに30年以上が経過している。もはやヒストリックモデルの域に達していながらも、外装はきれいにレストアされているように見えた。

 日本から軽自動車も個人輸入して販売されているが、そのなかではダイハツ・ムーヴキャンバスの人気が高いとのこと。キューブやムーヴキャンバスは、日本ではベタなかわいいモデルというわけではないが、日本的なキュートなイメージに溢れたモデルであることは間違いないといえよう。

 親日的な人が多いとされるタイだけに、それもあってかわいいクルマを愛する人がいるようだが、いままでは正規販売するほどは売れないとの認識だった。ただ、ORAグッドキャットはよく見かけるようになっていることから、クルマにも「かわいい」ものを求める動きが目立っているのかもしれない。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

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