この記事をまとめると
■フォーミュラドリフトジャパン開幕戦が開催され全32選手がトーナメントで激突
■FDJ2出身の新鋭やスーパーフォーミュラ参戦の大湯選手など話題のドライバーが健闘
■決勝ではケン・グシ選手が箕輪大也選手との接戦を制し参戦4年目で初となる優勝を飾った
FDJの開幕戦は富士スピードウェイで開催
4月26~27日、富士スピードウェイにてフォーミュラドリフトジャパンの開幕戦が開催された。26日の単独走行での採点が行われTOP32に選手を絞り込み、27日にはリードとチェイスを入れ替えるタンデムバトル方式でのTOP32トーナメントが行われ、優勝したのはケン・グシ選手で、FDJ初優勝であった。
左から2位の箕輪選手、優勝のケン・グシ選手、3位の高橋選手画像はこちら
予選日単独走行
26日の単独走行には43台のマシンとドライバーが出走した。単独走行は「ライン」、ドリフトの角度「アングル」そして、ドリフトの迫力「スタイル」の3要素で採点される。この単独走行は2本行われ、いいほうの点数で順位が争われる。上位32台が27日に行われるTOP32トーナメントに駒を進めることが出来る。43台のなかでトップの得点を叩き出したのはユキオファウスト選手で、95点をマークした。
上位陣の多くは、近年FDJでランキング上位を争う選手たちがそのままつけた形となったが、ニューカマーがTOP32へと進出を果たす力走を見せた。
まず、昨年FDJ2でランキング上位となり、今シーズンからFDJに参戦している濱田清文選手が15位につけ、同じくFDJ2からFDJに今シーズンからステップアップした女性ドライバーの深田一希選手が18位につけた。なお、深田選手は唯一のダンロップタイヤユーザーである。
濱田選手の単走画像はこちら
そして、注目の選手がもうひとり。SUPER GTや全日本スーパーフォーミュラに参戦する大湯都史樹選手だ。国内トップドライバーのドリフト競技参戦ということで話題を呼んだ。1本目では33位と、あと一歩で翌日へ駒を進めることができないかと思われたが、2本目で点数を上げ24位でTOP32トーナメントへ進出を決めた。
大湯選手の単走画像はこちら
TOP32
決勝日ではリードとチェイスを入れ替えて計2本走行するタンデムバトルで争われる。この日は大湯都史樹が関係者を驚かす活躍を見せた。最初の対戦カードは強豪CUSCOのエース草場佑介選手であったが、互角の戦いを見せ、再度タンデムバトルを行うワンモアタイムの後に勝利し、TOP16へと駒を進めた。
TOP16では昨年チャンピオンの山下広一選手を相手に、再びワンモアタイムとなる互角の争いとなったが、勝ち進むことはできなかった。
草葉選手(左)、大湯選手(右)の追走画像はこちら
FDJ2からのステップアップ組である濱田選手と深田選手はTOP32でいきなり対決。この対決は濱田選手に軍配が上がった。しかし、TOP16で富士スピードウェイを得意とし、3年連続富士ラウンド優勝ドライバーである高橋和己選手と対決。ここでは富士マイスターの高橋選手に軍配が上がった。しかし、TOP4で高橋選手は昨シーズンランキング2位のケン・グシ選手に敗れてしまう。
濱田選手(奥)と高橋選手(手前)の追走画像はこちら
大湯選手に勝利した昨年チャンピオンの山下選手は、TOP4で中学生(当時)にして2023年ランキング2位となった天才高校生ドライバーである箕輪大也選手と対決。ベテランチャンピオン対若手トップドライバーとなったこの対決は、ワンモアタイムを挟みながらも箕輪選手に軍配が上がった。
箕輪選手(左)と高橋選手(右)の追走画像はこちら
決勝ファイナルは箕輪選手とケングシ選手の対決となった。どちらも差の少ないレベルの高い走りを見せたが、わずかにケン・グシ選手に軍配が上がり勝利となった。ケン・グシ選手はFDJ参戦4年目にして悲願の初優勝であった。
箕輪選手(左)とケン・グシ選手(右)の追走画像はこちら
優勝したケン・グシ選手は「チームが壊れないクルマを用意してくれた。チーム、スポンサーをはじめ、協力してくれた多くの人に感謝したい。この調子でシリーズを狙えるように戦っていきたい」と振り返っていた。
優勝したケン・グシ選手画像はこちら
その場で見た誰もがそのレベルの高さを痛感していたフォーミュラドリフトジャパンの今シーズン開幕戦。今後、シーズンを通してどんなハイレベルなドリフトが見られるか注目したい。