「知らなかった」自動車保険の同じ等級でも割引率に違いが出る! 事故の修理でも保険を「使わない」ほうが得するケースとは (2/2ページ)

トラブル時に保険を使わないほうがお得な場合も

 たとえば20等級で63%の割引きを受けていたユーザーが、対物賠償事故を起こして保険を使ったとする。20等級から3等級下がって17等級になるが、この17等級は、16等級のユーザーが無事故で繰り上がった17等級とは割引率が違うのだ。16等級から上がる事故無し17等級では55%割引かれるが、20等級から下がった事故有り17等級では、44%しか割引きされない。

 その後、事故を起こさなくても、事故有りの割引率で18等級、19等級と進む。事故有りの適用期間は3等級下がった場合は3年間で、1等級下がった時は1年間だ。1度事故を起こして保険を使うと、保険料の割高な状態がその後も続くのだ。

 こうなると、規模が比較的小さな自損事故を起こした場合などで車両保険を使うと、むしろ出費が増えることがある。保険料が長期間にわたり、事故有りで推移するためだ。保険を使わず自分で修理費用を負担したほうが、出費が減ることも多いというわけだ。

 従って、保険を使うときは、修理費用の見積りを取り、その費用を自分で負担するか保険を使うか損得勘定を判断したい。保険会社に問い合わせると、保険の使用に伴う保険料の上昇額を算出してくれる。

 また、事故を繰り返して等級が下がっている場合、ダイレクト自動車保険では、新規加入を断わることがある。さらに盗難が多かったり修理費用が高額になるなど、保険料に影響する車両の料率クラスが高い車種やスーパーカーと呼ばれる高額車種の一部なども、同様に断られるケースがある。

 その点で、代理店型の自動車保険は比較的加入しやすいが、代理店の担当者は「対人賠償や対物賠償は、被害者保護の観点から原則として断わらないが、自車の損害を補償する車両保険には加入できないケースがある」としている。車両の損害は、基本的には加入しているユーザーが困るだけだから、事故が多い人は断るというケースもあるということだ。


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渡辺陽一郎 WATANABE YOICHIRO

カーライフ・ジャーナリスト/2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ(2010年式)
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13歳まで住んでいた関内駅近くの4階建てアパートでロケが行われた映画を集めること(夜霧よ今夜も有難う、霧笛が俺を呼んでいるなど)
好きな有名人
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