この記事をまとめると
■2025年5月より十勝や日光など5地域で新たにご当地ナンバーが交付開始
■背景には地域振興だけでなく番号パターン枯渇への対策もあるとされる
■ナンバーの地名はイメージに直結し、都市部ではブランド価値としても機能している
ご当地ナンバーが増加する背景と反響
2025年5月7日(水)より、全国で展開されている「ご当地ナンバー」に、新たに十勝(北海道音更町など)、日光(栃木県日光市など)、安曇野(長野県安曇野市など)、南信州(長野県飯田市など)、そして江戸川(東京都江戸川区)が設定され交付開始となる。
ご当地ナンバーとは、新たに自動車検査登録事務所を設けることなく、対象市町村を限定して独自の地名を定められるようにした制度のことを指す。
たとえば東京では、品川、足立、練馬、多摩、八王子のほか、世田谷(東京運輸支局管轄)、葛飾・江東(足立自動車検査登録事務所管轄)、杉並・板橋(練馬自動車検査登録事務所管轄)がご当地ナンバーとしてラインアップされている。ゆくゆくは23区すべてのナンバープレートが用意されるのではないかとされている。
東京都のナンバープレートのイメージ画像はこちら
地域振興といったものがご当地ナンバー誕生の背景ともされているが、ナンバープレート上で組み合わされる数字とひらがななどのパターンが枯渇しないようにするためというものもあるようだ。
日本で公道を走る際に自動車にナンバープレートの装着が義務付けられたのは1907年、明治40年のことであった。当時は保有台数もかなり少なかったこともあり、全国統一で4桁の番号が割り当てられていた。
いまのような、地名表記が加わるようになったのは1955年(昭和26年)に道路運送車両法が施行されたタイミングであった。
半世紀以上前のナンバープレートを装着したクルマ画像はこちら
ナンバープレートについては、さまざまな都市伝説をはじめ話題が絶えない。都心にて港区など富裕層が多く住むような地域をカバーしていることもあり、「品川ナンバー」というものは全国的にもステイタスが高い。
東京臨海部にタワーマンションが多く建設されるようになったころから、それまでの下町イメージにそぐわないひとたちが多く住むようになってきたのだが、その時課題となったのが、タワーマンションに住むのはいいが、所有車が足立ナンバーになってしまうということであった(イメージが悪いと思われたようだ)。
それを解消するためというわけでもないのだろうが、その後の2020年に「江東ナンバー」が誕生している。ちなみに「足立ナンバーのタクシーの運転士さんは親切」という都市伝説もあった。
品川ナンバー画像はこちら
2014年11月から、それまで品川ナンバーだった世田谷区に「世田谷ナンバー」が誕生した。山の手の閑静な住宅街で成城など高級住宅地もあるので、そのような世田谷区在住を誇示できるとする歓迎派と、「江戸時代には世田谷は御府外(江戸の外)だったことを考えると……」といった否定派がいまでも存在している。