ご当地ナンバーの設定には地域差も
地方部では地域振興などの目的もあり、全国的にはご当地ナンバーは増えているのだが、神奈川県にはご当地ナンバーは存在せず横浜、川崎、湘南、相模の運輸支局や自動車検査登録事務所の存在するものしかない。相模ナンバーを「すもう」ナンバーと勘違いするひとが少なくないというのは有名な話だが、横浜や湘南といったナンバーはすでにブランド化しているので、ご当地ナンバーを望む声も少ないのかもしれない。
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1990年に埼玉県で春日部自動車検査登録事務所が開設され、春日部ナンバーが誕生した。当時、東京のベットタウンとしてニュータウン開発が行われ、多くのひとが都内などから引っ越してきていた久喜市では、春日部ナンバーができるまでは大宮ナンバーだった。そこで、春日部ナンバー交付直前には「マイカーを大宮ナンバーにしたい」とちょっとした新車販売の特需があったと聞いている(春日部は当時あまり歓迎されていなかった)。
千葉県では1997年から野田自動車検査登録事務所が業務を開始し、当時は柏市や松戸市、我孫子市も野田ナンバーだったのだが、「なぜ野田ナンバー?」という声も多く、のちにご当地ナンバーということで、柏と松戸が誕生している。
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千葉県には、千葉、成田、野田、柏、松戸、習志野、船橋、市川、袖ケ浦、市原の各ナンバープレートが存在しており、「袖ケ浦ナンバーのクルマは滅多に管轄地域外で見かけない」という都市伝説があったことも覚えている。
ご当地ナンバーが続々誕生している背景には、分散化を進めないと将来的には番号を使い果たし、いまのナンバープレート制度が破綻してしまう危険が高いことがあるというのは前述したとおりだ。地名表示に続く類別区分番号(5とか3、あるいは4など)は当初1桁だったが、その後2桁になり、いまでは3桁になっている。それどころか末尾に数字ではなくアルファベットも最近では使われるようになった。
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ナンバープレートにICチップを搭載させた「スマートプレート」といった話が出てきて久しいアメリカでは、いままでのスチールに打刻するタイプから、電子ペーパーを採用し、スマホアプリなどで更新作業が可能となるデジタルナンバープレートがすでに実用化されている。
日本もここまできたら、スマートプレート化と同時に、ユーロサイズの横に長いタイプに全面刷新してみるのもいいかもしれない。前述した大宮から春日部ナンバーに代わる時には「プチ特需」があったという話からも、「ナンバープレートのサイズが変わるなら」とちょっとした特需が全国的に期待でき、新車の販売促進効果も高くなるのではないかと考えている。
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昔聞いた話なのだが、アメリカでも、ニューヨーク市と川を挟んでお隣のニュージャージー州に住むひとがニュージャージーナンバーのクルマでマンハッタンに行くと、「ジャージアン」などと呼ばれからかわれることがあるというから、世界的に見てもナンバープレートにまつわるトピックが尽きることはないようである。