この記事をまとめると
■フェラーリが「296スペチアーレ」と「296スペチアーレA」を発表した
■296スペチアーレは296チャレンジの新技術を採用しシステム最高出力880馬力を実現
■296スペチアーレのフィオラノでのラップタイムはラ・フェラーリやSF90ストラダーレに並ぶ
296シリーズにもスペチアーレをラインアップ
フェラーリは2025年4月29日、最新のスペチアーレ(スペシャルモデル)となる「296スペチアーレ」、ならびに「296スペチアーレA」を発表した。ちなみにスペチアーレとは、シリーズモデルをベースに、さらにその運動性能を高めるためにさまざまなチューニングを施したもので、2003年に360モデナをベースに製作されたチャレンジ・ストラダーレがそのファーストモデルだった。
フェラーリ296スペチアーレのフロントスタイリング画像はこちら
以後フェラーリは、V型8気筒モデルでは、F430、F430スパイダー、458イタリア、458スパイダー、488GTB、488スパイダーから、高性能なスペチアーレを生み出してきたわけだが、今回は車名からも想像できるように、296GTBとそのオープン仕様、296GTSがそのベースだ。
ちなみにGTSがベースのスペチアーレAに添えられるAの文字は「アペルタ」、イタリア語で「開かれた」といった意味をもつもので、オープンカーの同義語としてよく使用される。
フェラーリ296スペチアーレと296スペチアーレAの俯瞰リヤスタイリング画像はこちら
296スペチアーレ、296スペチアーレAの開発で、重要な役割を果たしたのは、ワンメークレース用車両としてすでにサーキットに投じられていた296チャレンジの存在だった。296スペチアーレと同Aに搭載される2992ccのV型6気筒エンジンには、この296チャレンジから受け継がれたチタン製コネクティングロッドや軽量化されたクランクシャフト。さらにはピストンの強度引き上げ、エンジンの制御マップとツインターボ・システムのブースト・ストラテジーを採り入れたほか、F1マシンからの技術であるノック・コントロール・システムも採用。
結果、V型6気筒エンジンから得られた最高出力は、ベースとなった296GTB&GTSと比較してプラス37馬力に相当する700馬力に、さらにこれに組み合わされるエレクトリック・モーターも、新たなエクストラブーストモードで、180馬力の最高出力を発揮することになった。
フェラーリ296スペチアーレのリヤスタイリング画像はこちら
ミッションは8速DCTとなるが、シフト時の最大トルクを活用して変速時間を短縮するなど、こちらもその進化は著しい。参考までにシステム全体での最高出力は880馬力。バッテリーは7.45kWh分が搭載され、25kmのEV走行も可能とされている。