フィオラノでのラップタイムはラ・フェラーリ級
296スペチアーレのデザインコンセプトは、現代のフェラーリ製クローズドホイール・レーシングカーと強い関連性をもち合わせている。フラヴィオ・マンゾーニ率いるフェラーリのスタイリングセンターは、デザインと機能を確実に融合させるため、エンジニアリング部門とも積極的に連携。結果として299GTB、299GTSとは異なった、独特な雰囲気のボディがデザインされることになった。
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リヤではこちらも特徴的なリヤウイングのデザインが印象的だが、これも296チャレンジに大きな影響を受けている。前後のホイールはこのスペチアーレのために専用設計された5スポークの鍛造ホイール。そのスタイリッシュなフォルムはもちろんのこと、構造的にもF80で採用されたカーボン・ファイバー製ホイールから派生した、最新の技術が用いられている。
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これらのエクステリアでのモディファイで、250km/h走行時に得られるダウンフォースは、296GTBと296スペチアーレの比較では20%の増加。実際には435kgを発揮するという。もちろん軽量化に関してもフェラーリの対応は徹底しており、車重は同様の比較で60kg減となる1410kgに。また、オープン仕様のスペチアーレAでも、1490kgという数字が達成された。
軽量化のために生み出された専用のドアパネル、単体のカーボン・ファイバー製ブロックで成型されたドアを開けると、視界に飛び込んでくるのはレースカーの雰囲気さえ漂う、スパルタンで機能的なコクピットだ。こちらもカーボン・ファイバーが多用され、インテリアをシンプルにデザインするためにエレメントの総数を減らす工夫が図られている。
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今回フェラーリが新型スペチアーレのコマーシャルカラーとして用いたエクステリアカラーは、ヴェルデ・ニュルブルクリンクと呼ばれる、鮮やかなグリーン系の色。車体の中央にはこれまでのスペチアーレのように、縦方向に走るリバリーを入れることもできるが、史上初めてホワイトのバージョンがこれに加わった。
また、カスタマーは、00から99までのなかから好きな数字を選んで、このリバリーに加えることもできるという。
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最高速で330km/h以上、0-100km/h加速を2.8秒でこなす、新時代のフェラーリ製スペチアーレ。参考までに、296スペチアーレがフィオラノで記録したラップタイムは1分19秒。それは296GTBのそれを2秒も上まわり、またラ・フェラーリやSF90ストラダーレに並ぶ驚異的なタイムに相当する。すでにそのオーダーリストには、長い列が作られていることは間違いないところだろう。