この記事をまとめると
■昨今では若者中心に電話や対面での不必要な会話が避けられる傾向にある
■新車購入も人との会話が敬遠され、対面商談のハードルが若者を遠ざける要因に
■将来的にはAIやセルフ操作による購入が主流になる可能性も現実味を帯びてきている
「可能ならオンラインで」という時代の新車販売
筆者は仕事柄、新規の取材先へ取材協力のアポイント取りをすることがある。まったくコネもない場合にはまさに正面突破で、企業の代表の電話番号へ連絡することになる。タイアップ(有料掲載記事)の売り込みが多いこともあるのか、「取材で……」といいだした途端、「結構です」と電話が終わってしまうことも多い。
しかし最近では、このような「飛び込みアポなし電話」だと、「弊社社員と名刺交換し、ご指名でのお電話以外はお取りつぎいたしません」とか、「営業っぽい電話はすべて断るようにいわれている」と、とりつく島のないことになるケースも多い。
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電話であえなく撃沈した時は、取材先ホームページにある問い合わせフォームを活用してアプローチするようにしている。一生懸命打ち込んでも返事がなく梨の礫となるケースもあるのだが、企業によっては問い合わせフォームをしっかり管理し、担当部署にまわしているところもある。そのような企業からは、「ぜひ取材を」とか、「前向きに検討したい」といった返事がくることも多い。
最近の若い世代のひとは、業務電話が苦手ということがマスコミでよく扱われている。オジさん世代だって好きなひとはそんなにいないのだが、そのような傾向からも、今後は問い合わせフォームを積極活用しようと筆者は最近心に決めたのであった。
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そんなとき、なんだか似たようなことをどこかで聞いたような……と記憶を蘇らせていると、新車ディーラーの店頭でセールスマンとの会話で出た話を思い出した。
仕事上での業務電話が苦手というならば、日常生活においても友人や親族など近い関係のひと以外と会話するのが苦手とまではいかなくとも、好きではないひとはいまどき多いだろう。さらに、たいていのものはスマホやパソコンからネット通販で手配して買うことができるし、スーパーでもセルフレジが普及しているので、赤の他人と会話をしなくても生活することは十分可能となっている。
そんな調子なのだから、しかもまだまだオジサンと呼ばれる世代の男性が目立つ新車ディーラーのセールスマンとの対面での商談は、なかなか気の重いものなのだろう。新車がほしいと思っていても、セールスマンと商談しなければならないと考えるとなかなか新車への乗り換えができないということもあるようで、そのためにクルマの保有期間が長引くひともいるようだ。
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昭和のころならば、お客の自宅で夜遅くまで値引きや用品無料サービスなどを交渉して好条件を引き出すのは半ば当たり前であったが、いまはライフスタイルの変化だけではなく、防犯上の理由などで他人を自宅にあがらせるという世帯は減っている。
さらに物価上昇などもあり、夜通し商談して高額値引きを勝ち取るほどの余力も存在しなくなったこともあり、昭和に比べれば新車購入もサバサバとしたものとなってきている。もちろん、昭和のころのようにライバル車を集めて、時間をかけて値引き交渉などを行うひともいまだに存在するとも聞く。
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だが、いまどきはディーラーローンを利用するひとがかなり増えているので、月々の支払額をどの程度で考えているのかをセールスマンが聞き、その希望額にするために条件を調整していく作業が中心となるので、商談もかなりシンプルになるのだ。