この記事をまとめると
■GSRの名は1973年のコルトギャランGTOに初採用された
■ランサーエボリューションでは全世代にGSRが設定されていた
■現在はピックアップトラックのトライトンがGSRを継承している
三菱の「走りの証」である3文字
ホンダのタイプRや日産のGT-R、近年ではトヨタのGRなど、スポーツモデルを象徴するグレード名が各社には存在しているが、三菱のスポーツグレードといえば「GSR」がそれにあたるだろう。
GSRとは、「Grand Sports Racing(もしくはRally)」の頭文字をとった名称で、1973年1月にコルトギャランGTOに追加されたのがその始まり。
このコルトギャランGTO GSRは、当初フラッグシップグレードとして三菱の市販車初のDOHC1.6リッターエンジンを搭載したMRが、排ガス規制によってあえなく消滅してしまったことを受けて登場したもの。2.0リッターSOHCのアストロンエンジンにツインキャブレターを備え、最高速度190km/hを誇っていた。また、エクステリアにはオーバーフェンダーが与えられ、スパルタンな印象となっていたのも特徴だった。
ギャランGTO GSRのフロントスタイリング画像はこちら
つづいてGSRの名を冠したのは、1973年2月に追加されたコルトギャランGTO GSRと、同年9月に追加されたランサーGSR。こちらはコルトギャランGTOとは異なり、1.6リッターのSOHCエンジンが搭載されていたが、こちらもツインキャブレターが与えられスポーティな仕様となっていた。
その後もスタリオンやエクリプス(クロスではないクーペモデル)などにも与えられていたGSRの名前だが、そのイメージにもっとも合致していたのがランサーエボリューションだろう。
1992年に初代ランサーエボリューションが登場し、2015年に10代目モデルが終売となるまですべての代にGSRが設定されていたのだ。
ランサーGSRエボリューションのフロントスタイリング画像はこちら
ちなみに、ランサーエボリューションにおけるGSRは快適装備も備えた仕様となっており、モータースポーツベース車にはRSというグレードが与えられていた。
なお、もっとも長くGSRグレードが設定されていたのはランサーエボリューションのベースにもなったランサーで、前述した1973年に初代ランサーにGSRが設定されて以来、2000年に6代目ランサーが登場するまでラインアップされつづけていた。
ランサーEXターボGSRのフロントスタイリング画像はこちら
そして、現在GSRの名を冠する車種は、なんとトライトンとなる。ピックアップトラックとなるトライトンはあまりスポーツのイメージはないかもしれないが、メーカーとしては力強さをもつトライトンにマッチするものとしてこのGSRのグレード名を与えたとのこと。
トライトンGSRのフロントスタイリング画像はこちら
実際のところ、トライトンはアジアクロスカントリーラリーにも参戦しているモータースポーツベース車でもあるため、じつはGSRの名前が与えられるのも妥当なのかもしれない。