アストンマーティンがとうとうSUVに「S」を付けた! 727馬力を引っ提げた「DBX S」はSUVのふりをしたスーパーカーだった (1/2ページ)

この記事をまとめると

■アストンマーティンが「DBX S」を発表した

■727馬力の最高出力を発揮する4リッターV8気筒ツインターボを搭載

■DBX Sは2025年の第4四半期からデリバリーが開始される

727馬力のモンスターSUV

 イギリスのアストンマーティンは、4月30日にDBXの新たなフラッグシップモデルとなる、「DBX S」を発表した。同社のプロダクトにとって、Sの称号がいかに重要な意味をもつものなのかは、その歴史を熟知する者には改めて詳しく説明するまでもないところだろう。

 1953年に誕生した「DB3S」に祖を見出すことが可能なSモデルたちは、常に魅力的なハイパフォーマンスバージョンとして、カスタマーから熱い視線を注がれる存在であり続けた。そして今回、そのSモデルがSUVのDBXにも設定されたことは、アストンマーティンにとってSUVがいかに重要なプロダクトであるのかの証明ともなったのである。

 さっそくDBX Sの概要を紹介していくことにしよう。このモデルのトピックスとして、まず触れなければならないのは、やはりフロントに搭載されるパワーユニットだろう。これまでDBXに設定されていた高性能版の「DBX 707」と比較しても、さらに20馬力も強力な727馬力の最高出力を発揮する4リッターのV型8気筒ツインターボがその正体だが、これにはまもなく登場するハイパーカー、「ヴァルハラ」から受け継いだ大型コンプレッサーホイールを始めとする新たなターボテクノロジーも生かされている。

 エキゾーストシステムにもさらなる改良が施され、そのサウンドはさらに官能的なものになったのはもちろん、ターボシステムの強化にも大きな効果を発揮している。組み合わせられるギヤボックスは9速の湿式クラッチトランスミッション。こちらもそのシフトポイントの改良など、よりスポーティさを強調するための調整が行われた。

 エンジンの強化と同時にアストンマーティンが強くこだわったのは車体の軽量化だ。新しくオプション設定されたカーボンファイバー製のルーフは、長さが3m近くにも及ぶもので、その重量はルーフレールの設定がなくなったこともあって18kgのマイナス。それによる重心の低下は、DBX Sの走り、とりわけコーナリング性能には大きなプラス方向の影響を与えることは間違いない。


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山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

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