壊れたクルマの救世主! 目にするだけでなかなか触れる機会のない「積載車」に乗ってみた!! (2/2ページ)

クルマを積み込んだらしっかり固定を!

 ではいよいよクルマを積み込んでみることにしよう。まずは運転席に乗り込んでエンジンをかける。その後、クラッチを踏みながら室内のPTO(パワーテイクオフ)ボタンを押せば、荷台を動かすことができる。PTOは積載車だけにあるスイッチではなく、トラックのエンジンから作業をするために必要となる動力を取り出すための装置のことなので、ミキサー車のようにドラム部分を回転させるような車両にも装備されている。

 今回の車両は荷台がフルフラットになるので、自走できるクルマを乗せるのであれば、荷台の左右幅だけ気を付けてゆっくり乗せればいい。荷台前方の輪留めにフロントタイヤが当たるまでクルマを進めたら積み込みはほぼ完了だ。

 ただし、このまま積載車を発進させることはできない。大事な固定作業をする必要があるからだ。基本は荷台のウィンチで乗せているクルマの前側けん引フックを固定するが、積載したクルマにはフロントリップスポイラーが付いているので、ホイールのスポーク部分にベルトをかまして固定した。こうしないとウインチを巻き上げたときに、ワイヤー部分がもち上がりエアロパーツに当たって破損するからだ。リヤも固定方法は同じだ。

 余談だが、筆者は積載したクルマの固定をフロントだけしか行わず、さらにニュートラルのままサイドブレーキも引き忘れた結果、信号でブレーキをかけた瞬間、輪留めを乗り越えたクルマが動き出し、運んでいるクルマのフロントを大破させた経験がある。固定は重要なのだ。

 バンタイプのトラックと違い、後部に窓があるのは精神的にだいぶラクだ。とはいえ、荷台にクルマを積んでしまえば、そこに見えるのは積んだクルマのフロントグリル。後方視界はほぼないといっていい。

 さらに車両が長いため、曲がるときには内輪差を考慮して大まわりするのが鉄則だ。慣れてしまえばそれほど神経質になる必要はないが、やはり細い路地に入る場合などは、それなりに前後左右を確認する必要はある。

 今回は積載車という少し特殊なトラックを触ってみたが、運転自体に特別な操作はいらない。しかし、荷台を上げ下げする、ウインチを操作する、クルマを固定するといった部分では知識が必要なので、もし積載車を運転する機会があるときは、しっかりと操作方法や作業内容をを覚えてから使うことをオススメします。


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