さまざまなパレット管理システムが登場
つまり、自社パレットをもち帰られてしまうと、パレットの所有者は回収漏れや滞留が発生しても気づかない。その結果、会社全体での保有数がわからなくなるというのがパレット紛失問題の流れなのだ。そのうえ、パレット紛失は所有者からしてみれば購入、紛失、再購入というコストばかりがかかる悪循環でしかない。
こうしたパレットの紛失は業界全体でみると年間約30万枚ともいわれており、損失額は金額にすると十数億円にものぼるほどだ。ちなみにだが、プラスチック製平パレットは種類にもよるが、一般的には一枚が数千円程度だ。もし1枚5000円のパレットを1万枚購入した場合5000万円かかる。そのなかから紛失率が20%と仮定すると、消えた2000枚を補充するために、さらに1000万円の損害金が生まれるのだから、無駄なコストであることは間違いない。
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そんな状況のなか、パレット管理や紛失問題を解決するために、さまざまなパレット管理システムが登場している。
一例をあげると、パレットにトラッキングデバイスをセットし、運用中のパレットがいまどこにあるのかを把握できるシステムをはじめとして、バーコードを用いた管理、RFIDと呼ばれるICチップを搭載したタグをリーダで読み取ることで情報を取得できるシステムなどがある。
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こうしたシステムは、パレット管理を格段に効率化できるうえに、コスト削減にもつながるため、パレット紛失問題の解決策として大きな効果が見込めそうだ。とはいえ、パレットは誰かの所有物であるという意識を持つことが大切なのはいうまでもないだろう。