トヨタ一強は日本だけのことじゃない! アジアで日本車が強い……というより「トヨタが強い」だった!! (2/2ページ)

トヨタ車”が”強い

 これがトヨタ車となると、コンパクトセダンのヤリス・エイティブ、カローラ・アルティス(セダン)、カローラ クロス、ハイラックス、ハイラックス ランガ、ハイエース(コミューターなども含む)、アルファードとバラエティに富んだモデルをバンコク市内で見かけることができる。

 また、レクサス車ではLMを多く見かけることができる。ちなみにタイではLMの現地価格が629万バーツ(約2723万円)からとなっているし、アルファードでも462.9万バーツ(約2004万円)からといった高価格帯。高級車がバンバン売れている状況を見ると、薄利多売モデル以外もしっかり売っていることがわかる。つまり、収益面でもかなり良好となっていることがうかがえる。

 タイでは新車購入に際してはローンの利用が圧倒的に多いので、贔屓にしているブランドあるなどのこだわりがなければ、再販価値の高いブランドを選ぶ傾向がある。この点でも、タイでの新車販売ナンバー1となるので、トヨタ車は再販価値も高値傾向で安定している。よって、お客が離れにくくなっていることも、よく売れる背景にあるのは間違いない。

 ただ、都市部を中心に消費者の多様化が進んでおり、あえてリスクがあったとしても他人とは異なるクルマに乗りたいということで、目新しさがありBEV(バッテリー電気自動車)も多い中国系ブランドが選ばれるといった動きが目立っている。

 トヨタに限らず量販ブランドとなると、他人も多く乗っているといったことで距離を置くひともいる。しかし、ここのところはタイでもSUV人気が高まり、カローラ クロスだけではなく、ヤリス クロスもタイ市場に投入するなど、都市部の多様化する消費者ニーズにも応える動きを見せている。またインドネシアではライズをラインアップするなど、そもそも多様な車種を持つからこそ、仕向け地にあった商品展開ができるということもいえる。

 日本車が強いのではなく、「トヨタが強いんだよね」。

 東南アジアを中心に各地で定点観測していると、そんなことをよく思うようになってきている。


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小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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2019年式トヨタ・カローラ セダン S
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渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

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