気がついたら取り返しのつかないボディに! 雨上がりの水滴放置はクルマにとって危険だった (1/2ページ)

この記事をまとめると

■梅雨から夏にかけての時期はボディへの水分ダメージが蓄積しやすい

■イオンデポジットは早期対応可能だが、放置すると除去困難な状態に進行する

■日頃の洗車習慣と環境配慮が愛車の美観維持に大きな差を生む

梅雨の時期も愛車をキレイに保つために

 北海道を除く、本州や沖縄諸島までの地域はもうすぐ梅雨入りです。この先、1〜2カ月は雨が多い季節に入ります。と同時に、梅雨の晴れ間に顔を出す太陽の光も、夏に向けて強くなるいっぽうです。今年も猛暑になるのでしょうか。

 雨が降ったあと、ボディに付着した水分は蒸発していき、やがて白いシミのようなものが残ります。これって洗車すれば落とせるものなのか。あるいは塗装へのダメージを与えたり、磨きのプロに依頼して除去してもらうほどの大ごとなのでしょうか。

●ウォータースポットとイオンデポジットの違いは?

 ウォータースポットとイオンデポジット。どちらも聞いたことがあるけれど、違いがよくわからないという人がいるかもしれません。

 まず、塗装面へのダメージとして軽傷であり、我々素人でも比較的除去できるのはイオンデポジットです。「イオンデポジット」とは、クルマの塗装の表面に残った水が残留物となって残り、白くなった状態です。

 これを放置しておくと、塗装やコーティングの皮膜の内部に侵食してしまい「ウォータースポット」となってしまうのです。ウォータースポットは中心部に向かってクレーターのように表面がボコボコした状態になるため、もはや素人の手には負えません。

●どのような状況でできやすいのか?

 クルマを屋外に置いておくだけで、埃や花粉などの物質がボディ表面に付着していきます。ここに酸性雨が混ざることで、イオンデポジットのもととなる成分ができてしまうのです。欧州車のモールには、年数が経過すると白いうろこ状の模様がこびりついてしまいます。日本の雨はヨーロッパよりも酸性が強く、欧州車はダメージを受けやすいのだそうです。かつてはこのうろこ状の模様はきれいに落とせないといわれていましたが、いまは技術が進歩し、除去できるようになりました。

 また、水道水に含まれるカルキも、イオンデポジットやウォータースポットを作る要因のひとつに挙げられます。つまり、コレクションのようにずっと屋内で保管されない限り、街なかで使用する限りは避けて通れない現象だともいえるのです。


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松村 透 MATSUMURA TOHRU

エディター/ライター/ディレクター/プランナー

愛車
1970年式ポルシェ911S(通称プラレール号)/2016年式フォルクスワーゲン トゥーラン
趣味
公私ともにクルマ漬けです
好きな有名人
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