クルマとしてはめちゃくちゃ良かったのよ! 英国生まれの「トヨタ・アベンシス」は見た目も走りも感動モノだった!! (1/2ページ)

この記事をまとめると

アベンシスはトヨタのイギリス工場で生産・販売されていたセダンとワゴン

■2代目からは日本にも輸入され販売されていた

■安価であったが走りも使い勝手も上質で素性のいいモデルであった

日本で販売された逆輸入車「アベンシス」とは

 トヨタのステーションワゴン(とセダン)のアベンシスを覚えているだろうか。欧州生まれ、英国のToyota Motor Manufacturing UK.Ltd.(TMUK)で生産され、主に欧州で販売されていたミディアムクラスのワゴン、セダンである。初代は1997年にカリーナ/コロナの後継車として欧州で販売を開始。ボディサイズはワゴンの場合、全長4570~4600mm、全幅1710mm、全高1500mm。ホイールベース2630mm。搭載されたエンジンは直4の1.6リッター/1.8リッター/2リッターガソリンと、2リッターのディーゼルを用意。ミッションが5速MTのみだったのが、いかにもMTを好む(当時)欧州市場向けらしい設定だった。ただし、日本への導入はされていない。

 アベンシスが英国から日本に上陸したのは2003年登場のT250型の2代目から。トヨタのフランス拠点でデザインされ、初代同様に英国のトヨタ・モーター・マニファクチャリングUKで生産される世界戦略車であった。つまり、日本においては、英国からの輸入車であり、「TOYOTA FROM EUROPE」というキャッチフレーズで2003年10月6日にセダンとワゴンを発売。日本仕様(英国仕様同様に右ハンドル)のパワーユニットは2リッター直4(1AZ-FSE)でスタートし、2005年9月に一部改良後は2.4リッター(2AZ-FSE)に積み替えられている。

 2006年7月のマイナーチェンジではエクステリアデザインの変更とインテリアの装備充実がハイライト。パワーユニットは2リッターと2.4リッターを揃え、2リッターは155馬力・19.6kg-m、2.4リッターは163馬力・23.5kg-mを発揮し、後者はハイオク仕様となった。ミッションはゲート式の4/5速ATが組み合わされていた。駆動方式はFFと4WDが揃う。しかしながら、アベンシスワゴンの最上級グレードとなるQiはFFで約350万円という、輸入扱いのクルマならではの値付けだった。当時ならVWのパサートが買える値段なのである。

 もっとも、シートの仕立てや機能装備などは極めて欧州車的であり、後席も余裕たっぷり。身長172cmの筆者のドライビングポジション基準で膝まわりに約190mmのスペースがあったほどだ。また、ラゲッジルームの広さは平凡ながら、ダブルフォールディング式の後席によって、拡大フラットフロアが出現。ワゴンとしての使い勝手はなかなかだったと記憶している。

 当時の試乗記で「おすすめ」と書いた2.4リッターモデルの走りは、エンジンのトルキーで高回転に至るスムースさ、5速ATとのマッチングのよさが際立ち、高速走行のハイスピードレンジでその魅力が引き出される、主戦場が欧州ならではの走行性能が光った。17インチタイヤ装着車の乗り心地は硬めだが、操縦性、高速直進安定性はなるほど、欧州車基準だった。


この記事の画像ギャラリー

青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

新着情報