マイナーチェンジでまるで別車みたいな顔に! 「大整形」で明暗クッキリなクルマ5台 (2/2ページ)

デザイン変更で息を吹き返したモデルも

●短命に終わった和み系デザイン

 メーカー顔パターンの2台目は、3代目のシトロエンC3とします。同ブランドのエントリーモデルとして、2016年に登場したコンパクトハッチです。

 この3代目は、やや個性を失いかけていたシトロエンがまったく新しいデザイン要素を取り入れたモデルで、C4ピカソなどとともに、大らかで丸いボディ面を独自のエアバンプで引き締めるユニークなエクステリアでした。

 が、5年後のマイナーチェンジでは、2016年のパリショーに出品されたコンセプトカー「Cエクスペリエンス」のエッセンスを投入。まったく異なる顔立ちとなったのです。ダブルシェブロンから延びる長いメッキパーツで構成される顔こそ引き継がれてはいますが、初期型で提示された柔和なデザインがあまりに短命だったのは残念です。

●わずかな修正でヒット車の仲間入りに

 少し前になりますが、マイナーチェンジが販売に大きく寄与した例として、最後は1999年登場の2代目日産ウイングロードを取り上げます。サニー・カリフォルニアとADワゴンを統合するかたちで登場した同車は、エアロ仕様や元気なTVCMなどでキャラづくりが行われましたが、どうしてもビジネス方面のイメージが払拭できずにいました。

 が、2001年のマイナーチェンジではヘッドライトやドアミラー、ホイールカバーなどをソリッドな形状に変更、内装もインパネをシャープなものとし、イメージを一新しました。

 当時は日産のV字回復期で、3代目マーチなど秀逸なスタイルの新車をつぎつぎに輩出しており、ウイングロードもその勢いに乗った「改善」でした。実際に販売も上向きとなり、デザインの重要性が再確認されたのです。

 さて、今回はマイナーチェンジで激変した5台を取り上げましたが、皆さんの想像どおりでしたでしょうか?

 クルマの開発は長い時間をかけて慎重に行われますが、それでも「なぜこのスタイルに?」となるケースがまだまだあります。それもまたカーデザインの奥深さということでしょうか。


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すぎもと たかよし SUGIMOTO TAKAYOSHI

サラリーマン自動車ライター

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