キーワードは「マルチパスウェイ」
ではなぜ、まだまだ人気で需要のあるガソリンモデルを設定しないのか? 担当者に聞いてみた。
すると担当のエンジニアは次のように述べた。
「RAV4は世界180カ国以上で販売されます。なので、仕向地によってさまざまなモデル展開が求められます。このクルマはつまり、マルチパスウェイの考え方に基づいて開発されているということです。そういったことを考慮した結果、今回日本では最初にこの2種類のパワートレインを展開することにしました。ちなみに、RAV4は日本では年間4万台前後売れる人気モデルですが、このクルマのメイン市場はもちろん北米市場です。北米では年間45万台前後売れてますからね。ちなみに北米では現在、RAV4ユーザーがHEVに注目しつつあるので、このままいけば新型では50%を超えてくるんではないでしょうか」。
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マルチパスウェイとは、HEVやEV、FECVやPHEVなどなど、さまざまなパワートレインを検討、準備をして、市場ごとに異なるエネルギー事情やクルマの使われ方を考慮した上で、カーボンニュートラルを進めていく……というトヨタの考え方だ。
続けて、「では、どこの国かはさておき、ガソリンモデルも存在はするということですか?」と聞くと、「国によってはそういったニーズもあるので、設定自体はあります」と教えてくれた。なので、日本市場での売れ行きや市場の要望次第では、マイナーチェンジのタイミングでガソリンモデルの追加設定も考えられるだろう。
ちなみに、GRグレードに関してはPHEV(E-Fou)のみだという。GRという名を背負う以上、高出力化はもちろん、走りの方面にスペックを振り、GRブランドを訴求する狙いがこのモデルにはあるとのことだ。
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つまり。トヨタが掲げるマルチパスウェイの考えを全面に押し出し、新たな領域にチャレンジしたのが今回の新型RAV4ということになる。
なお、グレード展開に関しては、「どれが上とか下はなく、COREやアドベンチャーのなかでそれぞれのグレード展開を考えてます。COREがあって、価格別にZやGがある……みたいな感じですね。アドベンチャーやGRもそんな方向性になると思います。まだ検討中ですが」と語る。
最後に、気になる人が多いであろう価格を聞いてみたところ、「それはこれから考える段階ですが、あまりにも上がりすぎるとユーザーがビックリすると思うので、電動車といえ、その辺りはもちろん考慮していい感じの価格帯に決めていくことになると思います」と続けた。
まだまだ隠されたところも多い新型RAV4は、2025年度中の販売を計画している。続報に期待したい。
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