ある意味「馬車の時代」に原点回帰!? いま「木」や「貝殻」を使った自動車パーツが作られ始めている! (1/2ページ)

この記事をまとめると

■自動車業界はリサイクルに取り組んでいる

■トヨタ車体は木を原材料としたパーツを開発した

■バイオマスポリシートの使用も進んでいる

廃棄物をクルマのパーツに加工!

 リサイクルといえば、排出された資源やエネルギーを回収して再度利用することを指す。高度成長期には「大量生産・大量消費」が当たり前だったので、結果的に地球環境が悪化したといわれている。そういった愚を繰り返さないためにも、リサイクルは大切なことだといえよう。

 自動車にはリサイクル券というものがあるが、これは「購入した自動車にリサイクル料金の預託を行った証明として、新車購入時に自動車ディーラーなどから発行される券」のこと。リサイクル料金は「自動車を解体、破砕したあとに残るシュレッダーダストの再利用、エアバッグ類のリサイクル、カーエアコンのフロン類を破壊するためなどに必要な費用を賄う」ための料金だ。

 このように、自動車はできるだけ廃車となった車両から使えるものを残して再利用し、やむを得ず処分するものは地球環境負荷がかからない方法で行えるように、関係事業者が努力をしているのである。結果、廃車となった車両は部品の再利用をしたり、シュレッダーダストを原材料に加工したりして、リサイクルの流れに乗せているのだ。

 こういった動きは、何も自動車業界内だけに留まるものではない。異業界で排出された廃棄物を加工し、それを自動車のパーツなどに加工しようという動きもあるのだ。そのひとつが、トヨタ車体が開発を進めている木を原材料としたパーツである。森林を管理する上で、適切に木を成長させるときに発生する間伐材。これは材木にするほど成長したものではないから用途が狭いため、廃棄物として処理されるものも多くある。

 これを樹皮、幹にわけて粉砕し、得られた植物繊維(TABファイバー)に熱可塑性プラスチック(熱を加えると柔らかくなり、冷やすと固まるプラスチック)を加えて、植物繊維強化プラスチック(TABWD)にすることで、強度をもつ原材料として再生できるのだ。このTABWDを使用して車両部品であるフォグランプブラケット、ワイヤーハーネスカバー、バッテリーキャリアなどが製品化されている。もちろん自動車部品だけではなく、オフィスチェアーなども試作されており、今後の利用範囲拡大に期待が膨らむ。


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