この記事をまとめると ■GR86とスバルBRZを使ったワンメイクレース「TGR GR86/BRZ Cup」が開催中だ
■アマチュアドライバーをはじめ現役のGTドライバーなども参戦中だ
■井口選手や小暮選手は操るマシンは若手エンジニアやディーラーのメカニックたちが支援
現役GTドライバーがTGR GR86/BRZ Cupに挑む TOYOTA GAZOO Racing(TGR) GR86/BRZ Cup第2戦もてぎが5月25日(日)に開催されました。GR86を使うチームが多いなか、BRZで戦うプロフェッショナルクラスの様子をお届けしたいと思います。
TGR GR86/BRZ Cupは、その名の通りトヨタGR86 Cup Car BasicとSUBARU BRZ Cup Car Basicの兄弟車のみが参加できるワンメイクレースです。
TGR GR86/BRZ Cupの様子 画像はこちら
ジェントルマンドライバーやアマチュアドライバーが参戦するクラブマンクラスと、スーパーGTなどで活躍しているプロドライバーが戦うプロフェッショナルクラスに分けてレースを行っています。
2025年シリーズは第1戦オートポリスが4月に開催され、今回の第2戦もてぎが5月に開催されました、以後第3戦SUGO、第4戦十勝、第5戦富士、第6戦鈴鹿、第7戦岡山と全国を転戦してシリーズを戦います。
詳しい日程はTGR GR86/BRZ CupのHPを見ていただくとスケジュールが掲載されています。
・大多数のGR86にBRZで果敢に挑むチームタクティ スーパーGTやスーパー耐久でスバルのドライバーとして活躍する井口卓人が、自身のチームを立ち上げて、久保凜太郎とレースに挑むようになったのは2023年シーズンからです。
車両はもちろんスバルBRZで、メンテナンスは井口を東京スバルが、久保を千葉スバルがサポートします。
TGR GR86/BRZ Cupに参戦するチームタクティの車両 画像はこちら
2023年の参戦開始初年度に井口がシリーズチャンピオンを獲得、久保も6位を獲得し幸先よいスタートを切ります。2年目の2024年シリーズでも井口はシリーズ2位。久保は16位とりました。
そして、3年目を迎えた2025年シーズンでは、なんと3台目のBRZが登場することになりました。スーパーGTスバルチームのリザーブドライバーでもある奥本隼士が加わります。メンテナンスはTGR GR86/BRZ Cupの前身であるGAZOO Racing 86/BRZ Raceの初年度から数年参加した栃木スバルが行うことになりました。
TGR GR86/BRZ Cupに参戦するチームタクティの車両たち 画像はこちら
今シーズンの開幕戦は九州オートポリス。井口と久保が装着するブリヂストンのポテンザRE-10Dがバージョンアップしたこともあり、その結果には期待したいところです。
この日の予選で井口は7位、久保が9位。決勝は激しい攻防の末、井口は7位、久保は9位と予選順位のままフィニッシュとなりました。奥本は車両準備が間に合わず出走していません。
続く第2戦は栃木県のモビリティリゾートもてぎ。奥本のマシンも用意され準備万端。3台体制のレースが始まりました。
しかしこのレース、87号車の久保はニュルブルクリンク24時間レースの予選レースに参加するため、篠原拓朗に代役を託しワンメイクは不参加となります。
TGR GR86/BRZ Cupに参戦するチームタクティの車両たち 画像はこちら
そんな篠原は、前シリーズとなるGAZOO Racing 86/BRZ Race時代に3戦だけ参加したことがある程度。マシンもタイヤも進化しているため、練習走行の時間を多く取り習熟に励みます。「マシンに乗せられている感じがして、何をしたら良いのか悩みしかない」と、走り始めたときには不安を見せていました。
一方、このレースでBRZデビューを果たす奥本は「マシンの調子も良いし、自分も乗れている感じがして絶好調です!」と語りました。
栃木スバルがレースに参戦することを記念して、栃木スバル本社ショールームでトークショーを行い、レースの難しさなどを語っていましたが、奥本はこの場で、「調子もよいので優勝します!」と力強く宣言していました。
トークショーの様子 画像はこちら
土曜日に15分の予選が始まると、1台がコースインしますが、ほかのマシンはステイ。もう1台コースインしたのち、井口と篠原がコースインしタイム計測を行います。その後数台コースインしますが、ほとんどのマシンはまだステイしたまま。
これほど多くのマシンが最後数分の1周にタイムアタックをするのは見たことがない光景でした。残り5分で多くのマシンがアタックに入るなか、1台のマシンが最終コーナーでクラッシュしてしまいます。即座に黄旗がでましたが、多くのマシンはタイム計測中。黄旗が出ている周のタイムは採択しないというルールのため、先にタイム計測を済ませていた6台を除き、ほかのマシンはノータイムという結果になってしまいました。
TGR GR86/BRZ Cupに参戦するチームタクティの車両たち 画像はこちら
協議の結果、タイム計測が済んでいるマシンに対してはタイム順で。それ意外は前戦オートポリスの順位が反映されることになりました。
その結果、井口は2位、篠原は5位となり、タイム計測ができていれば11位相当だった奥本は、前戦不参加のため28位からの出走となりました。
決勝では井口が2位スタートからトップを狙いますがなかなか攻めきれません。終盤後続のマシンが追いついてきて前後のライバルと攻防が続きましたが、そのまま2位を獲得、久しぶりに表彰台に上ることに。5位からスタートした篠原はライバルに抜かれはしたものも、7位を死守しポイント獲得です。
TGR GR86/BRZ Cupプロクラスの表彰式 画像はこちら
最後尾スタートとなった奥本は、ファステストラップの1ポイントを狙うため、前方にクリーンなスペースを作り果敢に攻めていきます。それが功を奏し狙い通りファステストラップの1ポイントを獲得しました。「優勝しますと宣言してしまいましたが、予選が残念な結果になってしまいました。その代わりファステストを狙いにいってしっかりポイントを獲得できてよかったです」と言います。マシンの調子は良いので優勝は次戦に持ち越しです。
TGR GR86/BRZ Cupに参戦する井口選手と篠原選手と奥本選手 画像はこちら
3台体制になって井口チーム代表は「バタバタしたレースウィークでしたが、ドライバー・メカニックが適材適所にうまくはまり、良いレースができました。まさか3台ともポイントを獲得できるとは思っていなかったので最高のレースだったと思います。トークショーや現地に応援にきてくださったファンに良い結果が見せられて良かったと思います」と語りました。