電気自動車がエンジン車に勝っているところを探したら……あまりに多すぎてEV時代も悪くない気がするぞ! (2/2ページ)

費用面でもかなり有利に

 駆動源が電気であることのメリットはまだまだある。

 たとえば空気の綺麗なリゾート地を訪れるとして、そこではCO2を一切出さない環境に優しい、環境負荷の少ない乗り物として走行、ドライブができるのである。今ではリゾート地の道の駅やホテルなどに充電スポットもあるため、経路充電、ホテルなどの目的地充電を行えば、充電に関するストレス最小限でEVのエネルギー効率に優れた走行、ロングドライブを楽しむことも可能となっている。

 コスト面でもEVはガソリン車にないメリットがある。

 まず購入時には多額の補助金があり、さらに税金もドーンと優遇されるのだ。具体的には環境性能割が非課税(2025年末まで)、さらに自動車税や自動車重量税が免税または減税され、実質、減免された自動車税と自動車重量税のみで済む(車両重量1.5t超~2t以下の国産EVの軽減後では、自動車税6500円/新車登録翌年度分のみ、自動車重量税0円/2回目車検時以降2万円)。

 日産サクラ(G)の例では、国の補助金57万4000円、エコカー減税1万5600円の優遇があり(4年間の保有義務あり)、サクラ(G)の車両本体価格308万2200円が実質249万2600円となる。同クラスのガソリン車、日産 デイズハイウェイスター(G/ターボ)の車両本体価格は183万8100円なので、差額は約65万円に縮まる。さらに東京での登録であれば、+75万円(再エネ電力導入の場合・4年間の保有条件あり)の補助金が加わるので、計133万9600円の補助が受けられる。つまり、サクラ(G)の実質価格は174万2600円となり、デイズハイウェイスター(G/ターボ)より安く乗れることにもなるのだ。

 ガソリン代高騰の今、ランニングコスト面でもさらに有利になることがある。とくに自宅に充電環境がある家では、同性能のガソリン車よりランニングコストを抑えることも十分に可能なのである(夜間電力契約や太陽光発電などがあればなおさら)。

 最後にメンテナンス費用にも注目したい。EVはガソリン車に比べ部品点数が少なく済む。たとえばガソリン車に必要なエンジンオイル、オイルフィルターなどの定期交換といったメンテナンスが不要だ。回生ブレーキシステムによってブレーキパッドなどの消耗も少なく済むため、メンテナンス費用を抑えられる傾向にある。

 愛犬家、モータージャーナリストにしてドッグライフプロデューサーでもある筆者から付け加えさせてもらえば、静かで振動が少なく、比較的低重心で安定した走行、スムースな走行が可能なEVは、聴覚に優れ、ノイズを嫌い、車内でどこかにつかまれない犬にとっても、こと走行性能に関しては、愛犬にも優しい最適な移動手段といっていいと思える。


この記事の画像ギャラリー

青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

新着情報